3.LED照明器具の省エネ性について
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前項にLED照明の様々な特徴を述べましたが、「省エネ」に関する記述がありません。一般的に「LEDは省エネ」と言われていますが、実際の実力の程はどうなのでしょうか?
■LEDの発光効率と総合効率について
白色LEDは1996年の実用化以降、毎年、発光効率(lm/W)が向上しており、今後も更なる効率の向上が見込まれています。発光効率とは、単位電力当たりの光出力であり、数値が高い程効率がよい、即ち比較対象に対し「省エネ」になります。図-2に各種光源の発光効率推移を示します。グラフからもわかるように、ここ数年で、白色LEDの発光効率が著しく向上しています。一般的な白熱灯・ハロゲン電球の発光効率が約10〜20lm/W、電球形蛍光灯の発光効率が約60〜80lm/W、主流であるインバータ蛍光灯の発光効率が約80〜110lm/W程度であることから、LEDの発光効率は既に蛍光灯レベルに達しているものもあります。しかし、これはLED素子単体の値で、照明器具に組み込んで使用する場合は温度上昇により効率が低下します。LED素子単体の発光効率は、図-3に示すようなプロセスにより、結果的に器具全体としての発光効率は概ね、LED素子単体の効率の半分前後まで低下してしまうのが課題です。 |
図-2 白色LEDの発光効率
図-3 LEDの器具組込時の発光効率低下要因 |
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■他光源に対する「省エネ性」について
前項で説明しました、LED照明と汎用光源器具の総合効率を比較した場合の省エネ性は以下のようになります。
図-4参照
(1)白熱灯器具
LEDの総合効率が光源発光効率を上回り、すでに充分な省エネを実現することが可能です。仮に白熱灯器具の総合効率を10lm/Wとすれば1/5の消費電力で80%もの省エネが実現できます。イニシャルコスト及びランニングコストを含めたトータルコスト(経済性)の比較においても数年間で償却が可能なレベルに達しています。
(2)電球型蛍光灯器具
電球型蛍光灯器具とは、ほぼ同等以上の効率ですが、LED照明器具には長寿命のメリットがあり、条件によっては置き換え可能といえます。
(3)全般照明用蛍光灯
現在主力のHf蛍光灯は、総合効率で100lm/W以上と非常に高く、現時点ではまだ及びません。しかし従来の40W蛍光灯を超えるレベルになってきていますので、パッケージの更なる効率向上が待たれます。 |
図-4 LEDの効率向上予測
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