コラム

2020.05.12

Vol.10「密度と余白」

密度と余白

この度の外出自粛制限は、多くのことを語りかけてくれました。特に首都圏に暮らす皆さ んは「街における密度」や「住まいの中で密度」に違和感を持たれた方も多いと思います。 都心の空洞化に対し郊外の住宅地(特にスーパーや公園等)の密集化は異様な光景ですね。

私は当初、これまでの都市計画の概念、人口想定のあり方、住まいにおける家族と空間 構成の概念が間違っていたのかと疑いました。しかし冷静に見れは、そもそも人々は様々 な暮らしのシーンで移動、場所や時間をパートタイムで共有するのが人・物・事が集中す る都市の暮らし。やはり平時では如何に空間と時間を共有するか!有事の何に備えるか! ……そして「余白」の大切さを改めて実感しました。この余白は、街にも住まいにも平時 では暮らしに豊かさを、予期せぬ有事では有効な対策をもたらしてくれるのです。

街や住まいのどこにどんな余白が有効か!そんな思いを巡らしながら自粛生活を送って います。

記:高橋 隆博

郊外の住宅地から都心を望むミット

前の記事                  後の記事

コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!? 
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。 

コラム一覧