「家の中での居場所」
在宅勤務や学校の休業などで、家の中に自分の居場所がないという声を聞きます。
以前、教員ご夫婦と3人の娘さんの家を設計した時の事です。娘さん3人は一部屋で生活させたいとの希望で、共用クローゼットとロフトを持つおおきな子供部屋(15畳+5畳大)を設計しました。同時に、1人になれる部屋も作りたいとの事で、6畳程のピアノ室兼納戸をつくりました。竣工後おじゃますると、3人の娘さん達はベッドやカーテンを利用して、自分の好きなもので埋められた自分のスペースを作り、見事に個の空間と共用の空間を使い分けていました。子供の時作った基地みたいです。納戸は受験期に集中するのに順番に利用したようです。
在宅勤務や家事からちょっと一人になりたい時、家具やカーテンを利用して小さくてもよいので手軽にできる個の空間を作ってみたら、意外と落ち着くものかも知れません。外出がはばかられる中、自分だけの居場所を作る事も必要かもしれません。
記:大川 直治
新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。