新型コロナウィルス感染症の拡大は、これまで当たり前で合理的とされてきた、都市や建築に集まって、仕事や暮らしを営むという考えを改めさせるできごとした。教育についてはまだまだ問題が多そうですが、仕事についてはテレワークの可能性を改めて感じました。そのような背景から、近所の人や街、地域とのつながりと幸福感について改めて考えています。
まず街を知ることから始めるのはどうでしょう。
下の写真は私の子供が通っている小学校の校庭です。真ん中に立つ樹齢100年の楠は、体育館の建替工事の際、当時(昭和37年)の校長先生と工事を請け負った建設会社社長の区への働きかけで伐採を免れたそうです。
今でもずっと子供たちを見守っています。この校庭で、この楠の話を聞いて育った子供たちは「邪魔だから当たり前に伐る(壊す)」と考える人間にはならないのでは、と期待しています。小学校の校庭の中にもこのような物語があり、それらを知ることで街との関係も少し変わってきます。
記:宮島 亨
コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。