東京オリンピック時のテレワークや時差通勤の検討が、コロナ禍で実践になりましたが、ネット環境が進歩した今日、テレワークの可能性を実感しています。
コロナ禍の収束には時間がかかりそうです。テレワークは地域を選ぶ必要がないので、地方にも人が増え、企業と地域コミュニテイの変化で町と街(*1)が活性化されると良いと思います。そして生活の豊かさの指標が、利便性の享受から自然の恵みの享受へ軸足が移り、住まい自体が変わる必要があると思います。
日本の都市住宅の始まりは町屋と長屋です。そこには坪庭、盆栽そして路地等が上手に取り入れられ、ミニマリズム(*2)の優れた文化です。その良さは現代にも通じますが、住宅は「敷地の半分の建物」が良いと私は思います。集合住宅も旧住宅公団(*3)の整備では敷地の40%位しか建物を建てていませんでした。そしてもう一つ。リビングルームは昼夜共にカーテンを閉めない生活です。その結果、夜の街路灯の照度を落とせば街の風景が一変します。想像してみてください。
(注釈)
*1:町は人が集まって住むところ、街は商店や住宅が建ち並ぶ通りです。
*2:ミニマリズムは余分な装飾をそぎ落とし、最小限の表現に昇華させることです。
*3:住宅公団は1981年に都市・住宅整備公団に継承され、1991年都市基盤整備公団を経て2004年に都市再生機構へ移管されている。住宅公団時代は集合住宅を供給していました。
記:寺山 実
新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。