COVID-19感染症対策は、社会距離を考える「飛沫感染予防」と「接触感染予防」と言われている。実際、ドアノブなどを介して他の人に感染する可能性がある。
「接触感染予防」を考える上で、素材別での最大残存時間は、銅、ダンボール、ステンレス、プラスチックと大きな差があるが、この中で一番短い銅でさえ約4時間、どの材料も長く残存していることに変わりはない。触ることによる感染の危険は存在する。
建築の仕事をしている人間に共通した癖がある。
材料に、触ったり、指で叩いたりして確認することだ。
素材の特徴を自分の肌で感じているのだと思う。
身体に触れる部分の、素材感、質感、仕上げ方は、材料を選ぶ時に特に意識する。
材料選びが、抗菌仕様、除菌のしやすさ、除菌剤に対する耐候性等が優先になるのだろうか。このコロナ禍で、変えたいこと、変えたくないこと、変えなくてはいけないことがあるが、材料の本来持っている素材感、質感を大事にする視点は常に持っていたい。
記:大塚 雄二
新型コロナウィルス最大残存時間参考資料
:Figure 1. Viability of SARS-CoV-1 and SARS-CoV-2 in Aerosols and on Various Surfaces.
写真:碌山美術館 入り口 Knocker
写真撮影:大塚雄二
コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。