コラム

2020.06.22

Vol. 32「庭は小さな生態系!一本でも森になる」

 住宅地では概ね建ぺい率が60%以下です。敷地100㎡(約30坪)なら最低でも40㎡(約12坪)は建物がない場所があります。一部が駐車スペースとしても青空は敷地の半分程度広がっているのです。

 今までも建主には敷地内に一本の木を植えましょうと提案してきました。実を言うと、自邸でも中庭にもみじを植えたいと妻に提案すると反対されました。手入れが大変、鳥や虫がやってきて嫌だ、邪魔でしょ。同じように思っている人いませんか?何度か説得を試みて、今では無くてはならない家のシンボルになり、季節が変わるたびに、植えて良かったねと話しています。

 たとえ一本の木でも家にとっては森となります。自然豊かな環境は、人工物だけでは造りえません。自然を身近に感じてこそ、毎日の生活に心穏やかになる暮らしがあると思いませんか。

 生活様式が見直されそうなwithコロナにおいて、新築やリフォームでも家の内部だけでなく、外の環境も一緒に考えてみてはどうでしょう。

記:中澤 克秀

※枝分かれして上部を見上げるとまるで森の中(イロハモミジ)

※足元は中庭タイル床に90cm角の大地に続く穴、この位のスペースでも育ちます。


前の記事                  後の記事


新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。

コラム一覧