「和室」と「和室的使い方」
1950 年代初め、住まいの食寝分離が提唱され、食事と寝る場所が別の部屋として計画された2DK の公団住宅が憧れでした。その後 L(リビング)が登場し、機能別の部屋つくりが進み、 それと供に和室がだんだん作られなくなりました。
それまでの家は、家族が集まる茶の間で食事の時は卓袱台を出して食事し、その後は家族団欒、 そして狭い都市の家では片付けて布団を敷いて寝室となっていました。 居間に立派なソファーやローテーブルが有っても、普段は床に座っているという人も結構いる のではないでしょうか。冬はその場にこたつが登場なんて事も有ります。昼寝などちょっと横 になりたいので、畳のスペースを作ってほしいとご希望の方も多いです。
コロナ禍の住まいでは、いろんな使い方の出来る「和室」はとても有用かと思います。また、 固定した家具を置かない「和室的使い方」も日本人の生活には結構合っているように思います。 「和室的な使い方」は割と大きな空間だとよりフレキシビリティ(使い方の柔軟性)が高いと 思います。小さな部屋を多く作るより、大きな空間を時々で区切りながら使ってゆく。そんな 住まいが良いのではと思います。
記:大川 直治
新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。