コラム

2020.07.21

Vol. 44「PublicとPrivateその1 」

私達は住まいをPrivateな空間として捉えています。家族を一単位とし、その外はPublicですから当然です。しかし、家族各人にもPrivateはあります。PublicとPrivateは一対で考えるものです。その場合、住まいの中のPublic(*1)はどこにあるのでしょうか?

私はLiving roomにあると思います。PublicなLiving roomであるためには家族の誰もが自由に気軽にくつろげる場であるべきです。それには、個人のものは持ち込まない方が良いでしょう。そして持ち込んでも必ず片付ける習慣が大切です。このような認識があれば、Living roomはTVを見るだけではなく、家族が思い思いに過ごし、くつろぎ、そして家族の絆を感じる場になります。

また、欧米ではPrivateの部分としてレストルームに洗面、トイレそして浴槽があります。日本ではこれらを家族とシェアしています。夏の高温多湿と寒い冬の日本では、浴室で湯船に浸かり1日の疲れを癒すのは日本の大切な文化です。

コロナ危機のこのような状況ではテレワークもあり、家族が家の中で過ごす機会が多いです。この際にPublicとPrivateを考えて、そしてOpen mindで気持ちよく暮らしましょう。

(注釈)

*1:PublicとPrivateは対ですが、家の中のPublicは親が子供に対して認める自由に行動できる第一歩。

記:寺山 実

Living roomへ出てきたキッチン            撮影:フォトワークス 松田哲也

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