コラム

2020.07.27

Vol.48「まちの魅力-2」 

3月以降、コンサートホールで実際に音楽を聴く機会がなくなってしまった。
それでも、web配信で、無観客コンサート、ホームライブをありがたく拝聴している。
しかし、臨場感はあっても何かが違う。
ホールでの演奏者と聴衆の一人である自分との一体感、そして五感で感じるライブ感とは程遠い。

まちには、音楽、映画、歌舞伎、演劇等の文化と接する場所が集積するだけではなく、そこには意識、感覚を共有出来る人々がいる。
音楽の場合、音楽を聴くだけではなく、演奏者と客席、聴衆者同士のふれあい、感激の瞬間を共有することこそが、ライブでの貴重な経験となる。コンサートホールは単に音楽を聴くだけではなく、人と人とがふれあう空間でもあることを改めて感じる。

「人と人とがふれあう空間」としての視点が、まちの魅力を構成している要素の一つであり、重要な視点ではないかと思う。
それぞれの場所のふれあいの有り様が、その地域の特色を作り出す。
まちは人と人とがふれあうことで成立する。

記:大塚 雄二

写真:上三原田の歌舞伎舞台創建200年祭
撮影者:大塚雄二

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