「集まって住む事への見直し その1(在宅介護の可能性)」
日本の住宅は1968年には住戸数が世帯数を上回り、場所を選ばなければ戸数が足りた状態になりました。その後、住戸数と世帯数は増え続け2018年には世帯数は1968年の約2.1倍、住戸数は約2.4倍になりました。(*1)世帯数の増加は単身者や核家族世帯の増加のためで、それに伴って住戸数も増え続けて、現在の空き家問題の原因を作ってきました。少子高齢化が進行中の我が国では、高齢者の単身世帯が今後も増え、介護離職や老老介護の問題も叫ばれています。
この度のコロナ禍の中、リモーワークにより在宅勤務が進みますと、今までは離れて住んでいる家族が通いながら対応の必要のあった介護に付いても、一緒に住む事により、通勤に掛かっていた時間を有効に使い、対応が可能になってくるかもしれません。
ひたすら世帯数が多くなってきた我が国ですが、二世帯や三世帯といった親族の集まりから、シェアハウスのように親族に限らない人達が集まる世帯も含め、集まって住みながら、お互いに助け合い、補完しながら、育児や介護に対応してゆく事も考えても良さそうです。
*1:2018年 住宅・土地統計調査(総務省統計局)
記:大川 直治
新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。