コラム

Vol.30 時代を生きる 建築家の役割

19 世紀の産業革命後、イギリスは都市部の人口密集化が進み、不衛生な環境下において結核患者が急増した歴史がありました。 20 世紀初頭のモダニズム建築。ル・コルビュジエは太陽と空間と緑、屋外の空気、スケッチに掲げた太陽と手の平・・・スタイリッシュな造形に隠されている かのようですが、病気の対策にも真剣に取り組まれ衛生的な建築を創作されます。 モダニズ ...more

Vol. 29「名前の無い部屋」

「名前の無い部屋」  住いを造る時、機能的に部屋を振り分けて作った方も多いかと思います。居間、子供部屋、寝室、クローゼット・・・・。無駄な場所を作らなくきっちりと作り込む事に気持ち良さを覚えている人も多いかもしれません。それはそれで素晴らしい事で、機能別の部屋が全てそろえられるなら問題は無いのですが、限られた面積の中では、工夫が必要です。  家 ...more

Vol.28「一軒に一灯」 

Vol.24「テレワークで町と街が変わる」に続いて 「STAY HOME」の期間、夕方の人通りが少ない時間帯にまちに出ると、住宅地は暗く静かに感じました。 冬はイルミネーションで飾られた家々がよく見られ、寒さを和らげてくれます。今は、行政が設置する街路灯の白い光が、全体照明として上から道路を白々と照らしています。決して照度が足りないわけではありませんが、暗 ...more

Vol.27「動物と楽しく暮らす住まい」

 私はこれまで、保護犬2匹と野良猫2匹と家族4人で長く暮らしてきました(事務所にも黒猫が1匹)。残念ながら昨夏に猫が1匹、コロナ禍で犬が1匹、天国に召されて、いまは犬1匹と猫1匹との暮らしになりました。コロナ渦の自粛生活では、猫の楽しく可愛い仕草に癒され、唯一の外出となる犬との散歩では、私たちも緑の中で気持ちの良い時間を過ごしました。  犬や猫に ...more

Vol. 26「快適でエネルギー消費の少ない家」

「快適でエネルギー消費の少ない家」  4月5月と我が家でも娘が在宅勤務となり、三度の食事の用意は大変です。先日、水道代の請求が来て以前より25%も増えたので、水道局から漏水の疑いが無いかの連絡が有りました。家に居る時間が多くなれば、電気・水道.ガスなどのエネルギー消費が多くなるのは当たり前です。省エネルギーの大切さが費用となって跳ね返ってきて、身にしみ ...more

Vol.25 STAY HOME で感じた使い捨て

全国一斉の外出自粛生活。しかし都市封鎖を思わせる状況下にしては、暮らしにおける 物質的な面では一部商品(マスクや消毒材)を除き、それ程不自由はなかったと感じる方 は多かったようです。その裏には紛れもなくネット通販や宅配分野の発達とフル稼働があ りありました。そして驚いたのは住宅地でのごみの量です!明らかに平時より終日人口は 増えたとはいえ、宅配等の梱包(箱) ...more

Vol. 24「テレワークで町と街が変わる 」

東京オリンピック時のテレワークや時差通勤の検討が、コロナ禍で実践になりましたが、ネット環境が進歩した今日、テレワークの可能性を実感しています。 コロナ禍の収束には時間がかかりそうです。テレワークは地域を選ぶ必要がないので、地方にも人が増え、企業と地域コミュニテイの変化で町と街(*1)が活性化されると良いと思います。そして生活の豊かさの指標が、利便性の ...more

Vol.23 「街を知ることから始めよう」

新型コロナウィルス感染症の拡大は、これまで当たり前で合理的とされてきた、都市や建築に集まって、仕事や暮らしを営むという考えを改めさせるできごとした。教育についてはまだまだ問題が多そうですが、仕事についてはテレワークの可能性を改めて感じました。そのような背景から、近所の人や街、地域とのつながりと幸福感について改めて考えています。 まず街を知ることから始 ...more

Vol. 22「暮 ら し に 彩 り を! 緑 を 植 え よう 」

 緊急事態宣言の自粛中、DIYや園芸に目を向ける人が増えました。家に居る機会が増えて、掃除片付けや庭造りなど、まとめてできる時間が出来ました。今後もテレワークの導入で、移動時間が趣味の時間に取って代われるチャンスでもあります。  しかしながら、同じ暮らしが続くと単調になり飽きてしまいます。今まで以上に家の中の密度は増え、ストレスの原因にもなりかねませ ...more

Vol. 21「住まいの通風 」

今、私たちは「密集」「密閉」「密接」の三つの「密」を避ける行動が求められています。その中でもStay homeでは、「密閉」つまり「住まいの通風」が重要です。 徒然草の「家のつくりようは夏をもって旨とすべし、・・・」で代表されるように、現代の住宅でもあらゆる部位に隙間を作るように工夫されています。それ故に部屋を暖めるのが難しく「直接人を暖める」コタツが今も ...more