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報告

第98回アーバントリップ 見学会+講演会

報 告REPORT

去る2023年8月21日に、第98回JIAアーバントリップ「池袋地区に展開する新しい学校建築を見る」が開催された。いま、学校はどうなっているかと題し、池袋地区に位置する4つの学校を見学した。

前半は、豊昭学園の2つの建物を見学した。1号館は大通りからのアイキャッチにもなる大胆な外観を持つ学園の「ランドマーク」、6号館はキャンパスの各建物を繋ぐ学園共用のラーニングコモンズである。各建物共に、法規制を満たしつつ計画された特徴的なボリュームや、クライアントの要望が最大限実現された計画であるとともに、随所で設計者のこだわりや工夫が感じられた。特に、6号館ホールの特徴的な形状の音響パネル・反射板を用いてまとめられた空間は、大胆な発想と綿密な計画による空間であり印象深かった。見学対象外の建物を含め、それぞれの建物が特徴を持ち、北川原温建築都市研究所がバトンを繋ぎながら長年に渡ってキャンパス整備に携わってきた学園の不思議なまとまりに魅了された。

後半は、池袋本町小学校・池袋中学校、池袋第一小学校の2つの区立学校を見学した。平面計画、教室やラーニングコモンズ等の作り方のトレンドや設計者の工夫を学ぶとともに、2つの学校を連続して見学することにより、敷地や機能による違いを認識できる体験であった。

設計者と共に見学する機会は稀であり、工夫や配慮、課題への対応方法など普段メディアでは得られない情報を伺えることがアーバントリップの醍醐味だと感じた。

最後に、長澤先生の講演を拝聴した。実際に、先生が携わられた事例を交え、学校建築の変遷や近年の特徴について丁寧にご説明頂いた。丁度、学校建築に携わり始めた身として、貴重なお話を伺う機会となり、大いに勉強になった。

執筆:草野 萌 ㈱山下設計 第3設計部 主任

 

概 要OUTLINE

定員に達したため、申込みを締め切りました。
申込者へは8月10日16時頃にメールをお送りいたします。

 

第98回アーバントリップ
いま、学校はどうなってるか~池袋地区に展開する新しい学校建築を見る~

この10数年、都内の多くの学校で改築・改修がさかんに行われています。
校舎の老朽化に加え、新たな教育カリキュラムへの対応など学習環境の変化、地域社会・まちづくりとの連携等に応える、従来の学校建築とは異なる平面計画、空間性を持つ学校が数多く出現しています。
アクティブラーニングによる主体的な学びが重要になってくる中、学びの場はどうなっているのか、また地域と共有する空間・機能はどのようなものか。
今回のアーバントリップでは、現在池袋地区に展開されている新しい学校建築を見学することで、「いま、学校はどうなってるか」を、直接肌で感じる機会としたいと思っております。
約10分あまりの距離に点在する、二つの高校・短大を有する学校法人豊昭学園、豊島区初の併設小・中連携校・池袋本町小・池袋中、そして池袋第一小です。
またこれまで学校建築の計画に長年携わってこられた長澤悟先生をお招きし、学校建築について語っていただき、また参加者とともに学校建築を考える場としたいと思っています。
(企画担当コーディネーター:南知之、中村雅子)

 

■豊昭学園1号館 東京交通短期大学(2018年竣工)

豊昭学園は豊島学院高校、昭和鉄道高校、東京交通短期大学からなる都心の低層住宅地に或る
学校である。日影規制や住居地域への配慮から南側に高層棟、北側を低層棟として南東部が抉られるようなダイナミックな形状のデザインとなっている。ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「四季」をイメージしたという外装パネルのレイアウトが街にリズムを与えている。

©Shigeo Ogawa

■豊昭学園6号館 ラーニングセンター(2022年竣工)

豊昭学園キャンパス計画は、5期に渡り同一設計者のもと校舎が創られ、その最新の建物がこの6号館。
三角形の土地に元からあったという旧丸の内線車両が鎮座している。
その車両は地下1階の図書室の吹き抜けを介してどこからでも視認できる。
3校の共用施設であるアイコン的なこの建物には図書室、レクチャーホール、鉄道シミュレーター室があり学生が鉄道や交通を学べる学校として街に開いている。

©Kenya Chiba

■豊島区立池袋本町小学校・池袋中学校(校舎併設型小中連携校)(2016年竣工)

区内唯一の併設型小中連携校で、区道を挟んだ2つの敷地で構成される。校舎においては職員室、メディアセンター等が小中の共有施設となっている。狭隘な木造密集地域に隣接しているため、地域防災の強化として周辺道路を拡張し、校庭、校舎とシームレスに連携できるようにしている。併せてソメイヨシノ発祥の地にふさわしく正面プロムナードに様々な桜を植えている。

©㈱エスエス

■豊島区立池袋第一小学校(2022年竣工)

「森の中の学校」をコンセプトに、壁面緑化、屋上緑化を積極的に行うとともに、校舎北側の公園をひばりがや広場として学校敷地に取り込みながら、豊島区の緑の空間のネットワークの拠点となるように計画した。校舎内は普通教室のオープンスぺースと特別教室のメディアコーナーを一体化した多目的スペースを中心に、各教室および学習情報センターと連携させ、アクティブラーニングにふさわしい教育環境とした。

15:00~17:00(予定)豊島区立池袋第一小学校にて
特別講演:「(仮題)これからの学校のありかたとは」
講師:長澤 悟(教育環境研究所所長)

詳細情報DETAIL

開催日
2023年8月21日(月)
時 間
9:30集合
9:45~11:45 豊昭学園1号館・6号館 見学
11:45~ 各自昼食および移動
13:00~14:05 池袋本町小学校・池袋中学校 見学
14:15~15:00 池袋第一小学校 見学
15:00~17:00 長澤悟氏講演およびディスカッション
17:30解散(予定)
会 場

1.豊昭学園1号館 東京交通短期大学/2018年竣工
所在地:東京都豊島区池袋本町2-5-15
設計:北川原温建築都市研究所
構造規模:RC一部S造地下2階地上9階塔屋1階
延床面積:2,817.49㎡

2. 豊昭学園6号館 ラーニングセンター/2022年竣工
所在地:東京都豊島区池袋本町2-9-1
設計:北川原温建築都市研究所
構造規模:RC造一部S造地上5階
延床面積:1,992.85㎡

3. 豊島区立池袋本町小学校・池袋中学校(併設型小中連携校)/2016年竣工
所在地:東京都豊島区池袋本町1-43-1
設計:石本建築事務所
構造規模:RC造一部S造地上4階
延床面積:17,271㎡

4. 豊島区立池袋第一小学校/2022年竣工
所在地:東京都豊島区上池袋4-28-1
設計:石本建築事務所
構造規模:RC造一部SRC造地上5階
延床面積:7,954.31㎡

交通案内

集合 豊昭学園1号館 東京交通短期大学エントランスホール 池袋駅から徒歩15分

講 師
豊昭学園1号館:桑原遼介(桑原遼介建築設計事務所)※北川原温建築都市研究所 元所員
豊昭学園6号館:西内元省(北川原温建築都市研究所)
豊島区立池袋本町小学校・池袋中学校:南知之、長野豊、高柳雅一(石本建築事務所)
豊島区立池袋第一小学校:南知之、長野豊、高柳雅一(石本建築事務所)
講演:長澤悟(教育環境研究所所長)
参加対象者
会員/賛助会員/一般/学生/ほか
参加費
2000円(税込)
定 員
50人(先着順)
CPD
6単位(申請中)
問合せ先
公益社団法人 日本建築家協会(JIA) 関東甲信越支部 事務局 (担当:中山)
urbantrip@jia.or.jp
申込方法

参加希望の方は、下記 Google フォームよりお申込み願います。

申込締切は8月10日(木)正午までとします。
申し込みフォーム
参加の方には、8月10日(木)午後案内メールをお送りします。
なお、参加の権利は他者への譲渡はできません。

※8月16日以降にキャンセルされた場合、 100 %のキャンセル料が発生します。

主 催
公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 アーバントリップ実行委員会
後 援
協力:(株)新国際通信社
協 賛
(株)イケガミ、三協立山(株)、(株)東京工営、(株)ユニオン、(株)角藤、コトブキシーティング(株)、愛知(株)