ARCASIA Council meeting(理事会)はARCASIAの最高議決機関で、JIAからは芦原会長と藤沼国際委員長代理とが出席した。オブザーバー参加したアフリカ建築家連盟(AUA) Omisore会長は本年5月にAUA、ヨーロッパ建築家理事会(ACE)、ARCASIAの3団体が国際的な協力について合意したタンジール合意書と、国際連合人間居住計画(UN HABITAT)とも協力合意して貧困層の居住改善について建築家の役割を強めていくという報告があった。
ARCASIAは3つの地域に分割されており、各地域からの報告があった。
Zone A(南アジア) CPD制度の導入が推進されており、既にバングラデシュでCPD制度が開始されパキスタンではCPD制度導入の検討を進めている。
Zone B(東南アジア) ASEAN国を中心に、建築家資格制度の相互認証制度を既に始めており、インドネシア、マレーシア、シンガポールでASEAN-ARCHITECTが約30人登録済みであり、公共建築の調達規則に現地建築家との共同作業を義務付けるよう運動している。シンガポールでは共通仕様書の作成を急いでおり、タイは建築家の確認が不要な建物規模を150平米から300平米に引き上げた。
ラオスでは建築家とエンジニアとが同じ団体に現在所属しているがアルカシア加盟を機会に分離するとのこと。
Zone C(東アジア) 親善サッカーやこの地域でのビエンナーレを開催し、相互交流を深めることが検討されている。マカオでは建築家制度が確立していないため、大型プロジェクトは全て外人が設計していることが問題となっている。韓国は建築家の登録制度KIRARBを発足させた。また2017年UIA大会準備を開始した。
第1日目の理事会の後、Friendship nightが開催された。18カ国・地域のすべてが、お国柄を表現したパフォーマンスが披露された。
アジアでは国が対立しているところがまだ多い中、このような国際的な交流の重要性を再認識した。
理事会 JIA 代表団 芦原会長と藤沼国際委員
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理事会の二日目は、各委員会からの報告があった。教育委員会(日本からは柳澤要氏が委員)からは、クロスボーダーアーキテクトを推進するため、教育機関の認証制度推進について報告があった。長期的にはARCASIA Architect制度の確立を目標としている。建築家資格委員会(日本からは和智信二郎氏が委員)からは、CPD制度を推進するため、ガイドラインを策定している。環境委員会(日本からは中村勉氏が委員)からはサステイナビリティーを評価する基本方針を策定しようとしている。本年度から始まった社会的責任(Social Responsibility)委員会(日本からは岡部則之氏、庫川尚益氏が委員)からは建築家の社会的責任についての力強いプレゼンテーションがあった。建築家の社会的責任問題は広範囲の内容を含む。例えば歴史的遺産の保存問題、災害対応、建築相談、貧困者住宅等。韓国では建物の維持管理に建築家が関与することが法制化された。先ずは、災害対応から始めることが合意され、ARCASIAの緊急災害支援制度を構築することが議論された。
最後に、次期ARCASIA会長が決定し来年1月から、国広ジョージ氏からマレーシアのTAN PEI ING氏に会長職が引き継がれることとなった。
国広ジョージ アルカシア会長と
マレーシアの次期会長TAN PEIING氏 |
ARCASIA 賞受賞者リスト
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