JIA Bulletin 2014年7月号/海外レポート

ドイツ歴史的まちなみ見て歩き
土地利用計画(Fプラン)と地区計画(Bプラン)がつくる景観

近藤 弘文

近藤 弘文


 ドイツの歴史的地区のまちなみ見学ツアーに行ってきましたので簡単にご報告させていただきます。


■ 都市計画と建築の制限
 日本にも地区計画制度はできましたが、ドイツの地区計画制度がどんな制限を加えてどのように歴史的街区の景観を保全しているかを簡単に触れさせていただきます
 ドイツの中でも美しい歴史的景観を保存しているローテンブルク市の地区計画図をご覧下さい。凡例には街並を形成するために守るべき事項が示されていることに注目いただきたいと思います。ご存知の方も多いと思いますが、計画範囲、一般住宅、階数、建ぺい率、容積率、屋根勾配、切妻指定、屋根方向、建築境界、ガレージ領域、土地区分、自動車道路、公園、緑地、街路樹、周縁緑化など事細かに指定されていることがわかります。



 ローテンブルクの景観に限らず地区計画制度が目指す街の姿の方向性は明確で、斜線制限や日影規制はなく一般の方にもわかりやすいところがいいのだと思います。
 それでは、改めてローテンブルクからご紹介していきたいと思います。




■ ローテンブルク
 言わずと知れたロマンティック街道と古城街道の交差点に位置するこの城壁に囲まれた美しい街は観光客で一杯です。一歩中に入ると中世そのままなのではと感じる景観を保存しています。





 城門をくぐると高い城壁に囲まれた街であることがよくわかります。







 オープンカフェで休む人たち。工夫を凝らした店の看板も見所の一つです。



 遠くから眺めると屋根の高さはほぼ揃っていて教会の塔だけが高くすることを許されていることがわかります。
 この「ほぼ」ということが大切なポイントです。



■ ハイデルベルク
 古い大学で有名なこの街は美しいまちなみを守りつつ観光だけではない活気ある市民生活を見るもとができます。ネッカー川の両岸に発達したこの街を俯瞰するにはハイデルベルク城がおすすめです。






■ ニュルンベルク
 ローテンブルクから高速にのって1時間弱走ると現代的な建物も多いこの50万都市に到着です。日本に比べればニュルンベルク城を中心に景観はよく保存されていると感じました。








■ バードヴィンプフェン
 ネッカー川沿いを車で50kmほど走ると小さく美しいこの街に到着します。丘の上に建つ「青の塔」からのまちなみです。その先には「赤の塔」が見えています。









〈イデア建築研究所〉


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