Vol.6(2018/2/2)
2月1日 APECエンジニア審査会
建築構造設計者の資格審査にJIAも参加するというのは日本独自であると思う。他の委員は構造の専門家であり、審査内容も構造なので、初めて参加した昨年は特に発言しなかった。今年は、構造設計者のCPD申請に関して、疑義を提示した。エンジニアの世界にアーキテクトが発言するのは欧米ではあり得ないかもしれない。
APECエンジニアは域内で自由にエンジニアが活躍する事を目的に整備された。資格開始当初は、600人以上が登録したが、現在は300人以下となっている。海外だけでは資格の魅力を感じない時代となった。APECアーキテクトも制度としては魅力がなくなっている。
単なる資格の相互認証ではなく、実際に海外で業務する時は、現地技術者との共同作業となる事を前提とした制度構築が必要である。次の日、2日の建築士会連合会国際委員会に出席。海外で設計共同するための契約書の雛形など、環境整備を進める事を決めた。
2月2日 全国大会実行委員会
今年9月に、アルカジアと同時開催する全国大会の準備作業を本格化する。できるかぎり、多くの人、多くの正会員が参加する事を期待している。
Vol.7(2018/2/21)
2月16日金曜日
高階さんとアルカジア協賛金依頼のため企業訪問。アルカジア大会は文化事業であることを役員会議でどのように説明するかが課題。この企業は、外部からプロモーターを連れてきて、我々の話が役員会で通るような説明資料作成を依頼する程の熱心な企業だった。
2月17日、18日 長野地域会主催学生コンクール審査会
今回は中山英之さんを審査委員長として、長野地域会からは山口さん、山梨地域会からは堂本さんと私の4人で審査。今年は応募数が多く、個々の作品にあまり時間をかけれなかった。高校生には、建築の何を教えるべきか。機能やコンセプトなど、頭で考えるものより、純粋に良いなと感動できる空間を、畏れを感じるほどの神々しい空間をできる限り体験して欲しいと思いながら審査した。
大学は信州大学のみからの応募となっているが、どの作品も問題提起やリサーチが素晴らしい。最終的に魅力的な空間として形になっているかが、建築としての評価に繋がる。建築はあらゆる事に素晴らしい解決を提示する事ができるが、全ての課題を解決できるものではない。建築では解決できない課題がある事を、学生にどのように伝えるのか。
それにしても、中山さんの講評は素晴らしい。若い人に素直に伝わる言葉を持っていると感じた。受賞した学生が泣いていた。ボランティア活動をして良かったと思う。
2月20日 東京 中央地域会例会
告示15号改正アンケート調査の意義や、建築基準制度のあり方第三回答申について解説と協議。
働き改革の一環として告示15号の改正を検討している事を説明。その後、会員が建築学会神奈川が主催した中国ラサ、チベット視察を紹介。360度カメラで撮影した映像が素晴らしい。
2月21日 総務委員会、常任幹事会、全国大会実行委員会
総務委員会。正会員数の減少が続く。入会審査ガイドラインについて協議。前回の案は理事会で差し戻された。会員を少しでも増やすべきか、理念を重視すべきか、議論が続く。本部委員会再編は、両副会長が近日中にに協議し、議論の枠組みを検討するとの事。
常任幹事会。支部活性化について協議。次世代の人を如何にJIAに入れるかについて協議。地域サミットでの議題協議。原宿駅の保存問題についても協議。
全国大会。一般の方の登録費について協議。今回はアルカジアとの開催なので、有料とする。この大会で新たな形のコンペを検討しているが、実現のハードルは高い。
Vol.8(2018/2/28)
2月27日 メンテナンス部会との協議
マンション修繕において、コンサルタントがキツクバックを受領しているという事が、この数年話題になり、昨年NHKクローズアップ現代で、全てのコンサルタントや設計士がキックバックを受けているという印象を与える番組が報道された。東京建築三会ても話題となっており、JIAとしてどのような対応が可能か協議した。
東京建築三会
国土交通省の平成30年度設計単価が発表されたので、東京都から来年度は設計単価を2.4%あげる通知が届いた。働き方改革と下請けも含めた設計者全員の社会保険加入を促進して欲しいとの事。JIAからは過去25年間の設計単価の推移を提示した。この5年間は毎年設計単価が上昇しているが、90年代の水準よりまだ低い。特に、公共工事の設計料単価となる技師Cの上昇率が他と比較して低くなっている。
これでは、働き方改革や社会保険加入という目標は達成できない。
マンション修繕に関しては、長い議論の結果、三会として何らかの声明を出すこと。市民の相談窓口を整備することなどを三会で合意した。具体的な作業は各会から1〜2名人を出してWGを設立する事に。
事務所協会から、建築士はこれからどうなるのか、どうすべきかという根本的な問題提起がなされた。建築士試験のあり方、リホォーム設計の専権の問題等多方面に議論が別れた。次回は各会で何が現実的にできるか、焦点を絞ったテーマを提示することになった。