都市・まちづくり委員会では建築と土木の協働の視点を中心に外部からゲストをお招きしてインタラクティブなディスカッションを行っています。
今回は都市・まちづくり委員会のメンバーである野村 哲氏(株式会社日建設計)に「中国TODの今:深圳羅湖マスタープラン」をテーマにお話しいただきました。
—概要—
2020.12.21(月)@オンライン
中国都市計画協会による2019年全国最優秀計画に選ばれた中国・深圳羅湖マスタープランを紹介いただいた。日系設計事務所が、最優秀に選ばれたのは恐らく初めてであり、日本の駅まち一体開発(TOD)が中国で評価されていることの表れともいえる。その羅湖地区は、香港と深圳の境界に位置し、経済特区としての発展を永らく支えてきた。新たなマスタープランでは、その歴史に敬意を表しながら「交通」を再編・拡張し、「都市」を再開発し、自然と共生した新たな「景観」の形成を目指している。その中心となっているのが東西400メートルのアトリウムで、その空間が人の流れや都市の賑わい、そして新しい景観を生み出している。その巨大でありながら、どこかヒューマンな雰囲気は、日本の駅まち一体開発と親和性を感じるところである。急速な中国の発展は、スマートやモビリティと同様にTODの推進にも寄与しており、今後も注目に値する。