支部長Report
2021年11月号
他国のコロナ感染再拡大や変異株ウイールスの流行の兆しも報じられている中、我が国では感染が鎮静化し此のところ日常を取り戻しつつあります。今後はGoToキャンペーンの再開など落ち込んだ経済立直し政策や生活困窮者支援策などが検討されていると同時にワクチンのブースター接種や経口薬の開発に期待が寄せられています。引続き油断せず感染防止に留意してまいりましょう。
さて、JIA全体で取組む課題が山積している中2050カーボンニュートラル第二期の連続セミナーがスタートしました。地球規模で脱炭素社会実現に向け各界での動きも加速され、特に実現に大きく影響を及ぼす建築生産に関わる私たちにとって避けられないテーマであることは周知のことです。単に太陽光発電設置義務化の賛否の議論に留まらない視野の広い知識をしっかりと身につけ自らできる貢献を実践することが求められます。第二期セミナーは計6回予定されており、更にその後も続くセミナーに期待しつつ知見を拡げて参りたいと思います。
日に日に寒さが増してきます。皆さまに於かれましては体調に充分ご留意いただき、ご活躍されますことをご祈念申し上げます。
2021年12月1日
関東甲信越支部 支部長 慶野正司
2021年11月号
11月 2日 JIA・SDGs建築フォーラム2021実行委員会 報告書WG (zoom)
12月発行のJIAマガジン同封配布に向けて、報告書編集作業を続けており概ねが固まりました。
11月 2日 職能・資格制度委員会 (zoom)
(仮称)建築家資格制度の今後のあり方を検討する特別委員会設置を前提とした準備WGのキックオフ会議を受け、次回の運営WGに向けて課題整理のブラッシュアップを行いました。
11月 6日 JIA群馬クラブ建築学校2021 (zoomハイブリッド)
10回目を迎える群馬地域会の「建築学校」が開催されました。この企画はJIAメンバーはじめ、地域に公開し地域に焦点を当てた勉強会であり毎回大勢の方々が参加されています。そもそもこの「建築学校」はブルーノ・タウトがこの地(高崎市)に滞在し少林山達磨寺の講堂をお借りして始まったものであり、群馬地域会がその意思を受け継ぎ企画開催してきたものです。今回は「エリカ&タウトとノースライトの建築」と題し、工芸文化醸成に寄与したタウトと同行していたエリカにスポットを当てると共にタウトを題材にした小説「ノースライト」を取り上げました。プログラムは朝から夕方まで、講演、対談、フリートークと盛沢山ながら興味深い内容で時間を忘れるくらいです。この企画を通して建築家の熱意や地域の歴史や文化に心を寄せる大切さを再確認する機会となりました。
11月 10日 住宅部会の日・特別企画/オンラインセミナー (zoomハイブリッド)
月に一度の住宅部会の日の特別企画として今月はオンラインセミナーがハイブリッド開催されました。今回は「祈りの庭と建築」と題し今年度日本建築学会賞(作品賞)を受賞した建築家・中村拓志氏をお招きしてご講演いただきました。多くの作品を紹介いただきながら自然や人々の「ふるまい」「心の動き」に寄りそう「微視的設計」による「建築・自然・身体」の有機的関係の構築を信条としている中村氏の建築に対する思いやそのプロセスに迫るお話を頂きました。後半は対話形式により、さらにその内容を深掘りすると共に中村氏のお人柄も垣間見ることもでき、とても楽しい有意義なセミナーとなりました。
また、このハイブリッド開催はプロに依頼せずJIAメンバーだけの配信オペレーションであり、支部で購入したての配信機器のデビュー企画となりました。今後の更なる活用を期待しています。
11月 11日 2050カーボンニュートラル連続セミナー第二期・第一回(zoom)
連続セミナーも第二期に入りました。第一期はカーボンニュートラルにむけて「省エネ・再エネ」に視点を置いたセミナーが主でしたが、第二期では既に空気中に排出されてしまったCO2の吸収・ 固定に大きく寄与する「木材利用促進」をテーマとして、複数の視点からの考察が主となります。第二期の一回目の今回は伊香賀俊治先生(慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 教授)をお招きし「ライフサイクルカーボンマイナス・ウェルネス建築への挑戦 ~学校、庁舎、介護施設の木造化・木質化の効果検証から~」と題しご講演いただきました。
11月 11日 支部 第4回常任幹事会 (zoom)
相変わらず報告や議題の多い常任幹事会です。特にこの時期は来年度の準備で理事や役員改選の件、予算計画の件などが報告されました。審議では11月25日に開催する委員長・地域サミットの企画し内容が固まり、変わらずオンライン開催で支部の抱える様々な課題について協議する予定です。またその他、特に12月の役員会に審議上程する学生会員の会設立に向けて準備を進めています。主体的で活発に活動し始めた学生会員をしっかりとフォローしていきたいと思っています。そして、これからも本部・支部問わずJIAの今後を考える大切なテーマが盛り沢山です。これら課題に対し支部内で共有する機会づくりを進めて参りますので皆様の活発な議論を宜しくお願いいたします。
11月 19日 建築家資格制度あり方検討会設置に向けた準備WG (zoom)
略称「資格制度準備WG」の2回目です。「・・あり方検討特別委員会」設置に向けて、名称、構成メンバー、課題抽出、ミッション、そしてロードマップなどなど具体的な検討に入りました。建築家資格制度の推進にはJIA全体のコンセンサスが求められる課題であり全会員的な議論が必須です。準備WGでは来年2月を目標に検討課題を纏めて、その後始まる特別委員会に検討舞台を移して参ります。
11月 19日 国際委員会ウエブセミナー 「越境建築家」たちとの対話シリーズ(zoomウエビナー)
このセミナーは第2期目の企画であり今期は来年4月までの間に毎月開催で6回予定されています。第2期(Part 2)は「越境への誘い」を全体テーマとして開催され、その一回目は「ボーダレス」と題し、中東と日本でご活躍されている寺本健一氏(office Teramoto)、山雄和真氏(waiwai東京事務所)のお二人をお招きし対話形式により海外で仕事することの意義や海外建築家とのコラボのなど取組みや考え方についてお話しいただきました。また地球的課題であるSDGsやカーボンニュートラルの取組みについてもシッカリと建築に落とし込みながらの活動は、フューチャーバナキュラー(寺本氏談)としての評価もあり、地域を大切にする姿勢に共感しました。「越境建築家」対話セミナーあと5回の開催がとても楽しみです。
11月 22日 JIA・SDGs建築フォーラム2021実行委員会 報告書WG (zoom)
11月 24日 「知的生産者の公共調達の法改正」公開シンポジウム (zoomハイブリッド)
今年で3回目となる公開シンポジウムが開催されました。この活動は我が国における知的財産の向上を目指し、知的生産者を対価ではなく質の評価で選ぶことを原則とするため会計法・地方自治法を改正しようとする活動です。地道な運動の成果も徐々に現れ政府自民党においても積極的に取り組まれ今年8月には文科・総務・国交の三省から学校建築の設計者選定におけるプロポーザル方式採用を促す旨、地方自治体に通達されました。また法改正と連携した活動として、自治体の設計者などの選定を支援する「知的生産者選定支援機構」が既に組織されており具体的な展開に向けて体制が整いつつあることが報告されました。この公開シンポジウムには推進されている国会議員の先生方、知的生産にかかる各学協会の皆さん、また一般の方々の参加のもとの開催となり今後社会的な課題として周知されていく事を期待しています。
11月 24日 第12回JIAオンライン技術セミナー (zoom)
今回のセミナーは「建築資材における持続可能な開発⽬標(タイルカーペット編)」と題し、
(株)スミノエ東⽇本開発部様にレクチャーいただきました。⽔平循環型リサイクル、原着ナイロンという 2 つの視点から、持続可能な開発⽬標 SDGs に対して、タイルカーペットが貢献できる点を考察し具体的に解説いただきました。メーカーの取組みを理解しSDGs推進にむけて設計に活かしてくことも私たち設計者の課題です。
11月 25日 第2回委員長・地域サミット合同会議 (zoom)
今年2回目のサミット合同会議は、お忙しい中ほぼ全員の参加のもと開催されました。第1部は全体報告で「オンライン発信のノウハウ」「委員会懇談会実施報告」「第1回サミット報告」がなされ、第2部ではそれらから見えてくるJIAの抱える課題についてグループセッションで議論いただきました。今後具体的な対策について検討し柔軟な姿勢で運営に活かして参りたいと思います。
11月 25日 2050カーボンニュートラル連続セミナー第二期・第二回 (zoomハイブリッド)
脱炭素社会の実現に向けて第二期のセミナーは「森林吸収」や「LCA」に視点を向けており、今回は<山と相談する建築のすすめ 「2050年の山の姿」から考える「これから30年の木造・木質建築」>と題し、腰原幹雄先生(東京大学教授)と網野禎昭先生(法政大学教授)のお二人に森林吸収・木材 利用・建築分野の温室効果ガス対策について体系的にご講演いただきました。木造建築の構法は、その時々の山の状況と切り離して考えることはできず、構造材となる製材、仕上げや構造に使われる板材、合板、木質加工版などなど。大きくはカーボンニュートラルに寄与するといえる木造建築生産の中で、大切なポイントや当面のゴールとされる2050年に山がどうなっているのかを考えることなど、これから30年の木造・木質建築のあり方を考える機会をいただきました。
以上、ご報告いたします。