支部長Report
2022年2月号
春が待ち遠しい今日、依然、新型コロナが猛威を振るっています。ワクチンのブースター接種や治療薬の日常化が急がれているなか、正にコロナと同居するこれからの日常社会が見えてきたように思います。それは同時に社会変容に即した順応性高い建築家の対応力が求められていることに繋がります。SDGsや待ったなしのカーボンニュートラルも然ることながらシッカリと知見を高め社会的職責を果たしていくよう努めなければならないですね。
さて、本年度活動も残すところ実質2か月となりました。来年度にスムーズにバトンタッチできますよう皆さま、どうぞ宜しくお願いいたします。
2022年3月1日
関東甲信越支部 支部長 慶野正司
2月 1日 「コンプライアンス徹底に関する勉強会」 (zoom)
昨年末にJIA会員の建築基準法違反により業務停止処分が決定し公表されました。本部ではこの事態を大変重く受け止め会員各位に対するコンプライアンス徹底の注意喚起を目的とし企画したものです。勉強会は一級建築士でもあり建築分野各法にも精通している弁護士・大森文彦様をお迎えしレクチャーいただきました。特に建築士法(ヒトに対する法律)の注意すべき事項と共に「私法」「公法」の意味やリスクなど、今まで何となく理解していたものの改めて強く認識する内容でした。私たちは日頃設計活動するにあたり如何に常に法的リスクに隣り合わせにいるか、自らをふり返り今後の姿勢を考える良い機会となりました。これらはコンプライアンス(法令遵守)徹底と声高に叫ぶだけではなく、私たちの日常生活や設計活動におけるモラルが問われている事であると強く自覚しなければなりません。今回は初回の勉強会でもあり理事及び各支部役員対象でしたが、今後は全正会員に向けて呼びかける機会づくりが求められます。
2月 3日 支部 「第1回 オンライン専用機材の運用 勉強会」 (zoom)
今後のJIA活動におけるオンライン化を推進すべく、支部では昨年オンライン配信機材を購入しました。その後、各種セミナーやシンポジウムを試験的にオンライン配信し概ねのノウハウも得られたところで今年1月より支部内会議体に貸出しをスタートいたしました。しかしながら、配信に際し準備やオペレーションは慣れない会員にとって簡単な事ではなく、そのノウハウを各会議体が共有することが求められ、この度運用の勉強会を開催することになりました。勉強会には支部内のオンライン配信を検討している会員約15名が参加され機材説明や注意事項の解説に耳を傾けられました。またこの勉強会は2/8、2/22と今月集中的に開催いたしますので差し迫っての配信予定の無い会員にも広く参加を募っています。さらに勉強会内容は後日整理しYouTubeにもアップする予定であり支部内共有を図って参ります。
支部オンライン機材運用マニュアルVol1は
2月 3日 2050カーボンニュートラル連続セミナー第二期・第4回 (zoomウェビナー)
第二期の連続セミナーでは、カーボンニュートラルに向けて特に木造建築物に焦点を当て各地で実践している建築家にお話しいただいています。今回は九州支部、東北支部が連携し断熱地域区分で7地域、4地域と大きく異なる環境で実践している古川保氏(古川設計室)、西方里美氏(西方設計)のお二人にご講演いただきました。共に異なる地域で気候風土、技術の伝承、地産地消のエネルギー・資材活用など地域に根差した設計活動を数十年に渡ってじっくり取り組んでこられた建築家です。7地域・熊本の古川氏は外皮性能に頼るだけではない「気候風土適応住宅」の考え方を説き、4地域・秋田の西方氏は省エネ、創エネに留まらない室内温熱環境全般を考えた事例をご紹介いただきながらのお話に食入りながら拝聴いたしました。当然ながら全国一律の基準体系ではなく地域の自然環境、風土を考慮した地域ならではの取組みの大切さを再認識いたしました。
2月 5日 近畿支部大会2021オンライン プログラム (zoom)
完全オンラインで開催された近畿支部大会のプログラムを視聴いたしました。2/4~2/6間で配信されるいくつものプログラムの中から「関西建築家新人賞受賞!白須氏・山口氏トークセッション@office」を覗いてみました。受賞作品の紹介はもとより受賞した白須・山口両氏が事務所をシェアしており興味深いお話を伺いました。その「上町荘」と称するシェアオフィスは大阪の市街地に位置し中古物件を改装し緩やかに繋がる大小のスペースが設けられており、そこに建築事務所以外の多業種のオフィスが共存しています。これからの働き方や街での暮らし方をイメージし実践しておりシェアする魅力に触れることが出来ました。両氏の設計にはそんな取組みで得られる想いが盛り込まれているのではないかと感じます。
2月 6日 近畿支部大会2021オンライン プログラム(zoom)
前日に引き続きプログラム「建築と子どもたち」を視聴いたしました。近畿支部内地域会が実践している子ども対象の複数のコンテンツの紹介後にコメンテーターを交えたトークセッション形式のプログラムです。コンテンツは座学、ワークショップ、まち歩きなど多彩な事業でありながら共通して子供たちの「創造性」「生きる力」を育むことが根底にあり議論が噛み合います。特にものづくり系ワークショップである「T-CUBE」「つみすぎ」は子供たちの感性を育むだけではなく、「ものづくり」に必要な人や自然への思いやりの心を引き出す機会にもなっているのではないかと思われます。情報量も多く予定時間を超えたプログラムとなり最後には「“建築”にはまだまだできることがある」と締めくくられました。
近畿支部にはオンライン大会開催にチャレンジいただき今後の開催手段としてシッカリと示されました。お疲れ様でした。
2月 7日 職能・資格制度/建築家資格制度実務 合同委員会 (zoom)
2月 8日 支部 「第2回 オンライン専用機材の運用 勉強会」 (zoom)
2月に集中開催している第2回勉強会です。前回参加できなかった希望する会員に参加いただきました。中には早々に配信機材を使ってオンライン配信予定のある会議体に参加いただき理解を深めていただいたものと思います。
2月 8日 建築家資格制度のあり方検討特別委員会設置に向けた準備WG (zoom)
次回理事会に上程する特別委員会設置の必要性とミッションを整理いたしました。まずは協議事項として挙げ3月理事会承認を目指しています。
2月 10日 正副会長会議 (zoom)
2月 17日 第286回理事会 (zoom)
審議事項で入退会承認後の正会員数は3,364名でほぼ横ばい状況です。その他の審議は委員就任承認の他、災害時の歴史的建造物の被災調査や災害時対策について関係団体との協定締結が承認されました。協議事項では特に学生会員の会員種別の位置づけが準会員から協力会員に移行される方針が示されましたが、学生会員がJIAの一員であるモチベーションが低下しないよう配慮する必要があります。また報告事項が数ある中、業務委員会から業務報酬基準の改定にかかるアンケート回答に向けての解説と協力呼びかけがありました。より効果的にアンケート対応していくよう今後も勉強会を予定されています。
2月 22日 支部 「第3回 オンライン専用機材の運用 勉強会」 (zoom)
2月に集中開催した3回目の勉強会です。3回を通じて延べ50名ほどの方々にご参加いただき第一弾は終了いたします。早々にオンライン配信機材を使ってのイベントを開催する活動体もあり一定の成果があったものと思います。今後も支部内に活用の機会が広がる事を期待しています。
2月 24日 第7回 常任幹事会 (zoom)
今年は各位が参加し易い時間帯18:30に開始していますが、今回は議論が伯仲し22時近くまでかかってしまいました。これもJIA活動を思ってのことと大いに歓迎するところです。特に3月18日に予定している地域サミットのテーマをJIAの発注者支援とする見込みであり関連議題を含めて議論が交わされました。設計に係る発注者支援活動は入札制度を廃止しコンペ・プロポへの推進や若手登用機会拡大などを目的とし活動していますが、自治体と関係を図る地域会活動への依存度が高くなります。地域サミットでは充分情報と意思共有していきたいと思います。また審議事項では、今年のフェロー会員、名誉会員の推薦者を決定いたしました候補者各位の活動経歴に敬意を表します。
2月 26日~27日 長野地域会 「長野建築祭」参加 (集合)
松本市民芸術館を会場とした第16回長野建築祭にご招待いただき参加いたしました。初日は前日にJIA日本建築大賞を受賞したばかりの「長野県立美術館」設計者の宮崎浩氏にご講演いただきました。氏の建築家経歴を辿りながらの内容で建築に向かう姿勢や拘りに触れることが出来ました。2日目は一日かけて長野県内の高校、専門学校、大学の部門順で卒業設計コンクールの公開審査を致しました。公開とは言え時節柄関係者だけの参加に留めましたが慎重かつ白熱した審査を経て各部門の受賞者が決定しました。作品にはコンバージョンや廃材活用などなど、正に時代を反映したものが少なくなく今後求められる建築家職能を考える機会となりました。
以上、ご報告いたします。