支部長Report
2022年3月号
桜前線が北上し関東各地でも桜のある風景が美しい季節になりました。浮かれてお花見気分と言いたいところですが、まだまだコロナ禍、考えながらの行動が求められます。
例年この時期には各地で卒業設計コンクールが開催されます。今年も複数の審査員依頼をいただき務めさせていただきました。何れも学生の意欲的な作品揃いですが、SDGsや脱炭素社会など世相を反映したテーマの作品が数多く見受けられました。まぁ当然と言えますが。学生各位の今後の建築に関わる人生に影響を及ぼすことになり得るのが卒業設計ですよね。ふと自らの卒業設計を思い出すと、そのころ悩み考えていたことは還暦を過ぎた今でも建築づくりの何処かにあるように思います。皆さんはいかがでしょうか?
さて、常任幹事会では来年度に繋げる5月開催の通常総会の準備に入っています。当日はハイブリッド開催になる見込みですが、準備が整い次第に皆様にご案内いたします。
どうぞ宜しくお願いいたします。
2022年4月1日
関東甲信越支部 支部長 慶野正司
3月 3日 建築家資格制度のあり方検討特別委員会設置に向けた準備WG (zoom)
今後の資格制度について考える特別委員会設置の理事会審議に向けて最終調整を致しました。
3月 3日 2050カーボンニュートラル連続セミナー第二期・第5回 (zoomウェビナー)
今回はLCA(ライフサイクルアセスメント)その実践・普及の加速についてのテーマで開催しました。講師にAIA(アメリカ建築家協会)正会員として約20年USAでの設計実務に従事されてきた岡田早代氏(イズミシステム設計)からLEED認証や実務でのエンボディドカーボンに重点を置いたLCA分析の利用や考え方のお話を伺いました。その後、対談形式により、CASBEEや日本 建築学会におけるLCA研究の現況を踏まえ、伊香賀俊治氏(慶応大学理工学部教授)に 我が国のLCAの展望についてのお話を伺いました。
3月 5日~6日 神奈川地域会 「かながわ建築祭2022」 (ハイブリッド)
かながわ建築祭は「公開シンポジウム」「卒業設計コンクール」「まち歩き」のプログラムでの開催です。公開シンポジウムでは「設計者選定制度のこれから」をテーマとし、今日までの公共建築の設計者選定の枠組や今後のあり方についてパネルディスカッションを行いました。現在、各地で行われているプロポーザルには問題が多く指摘されており健全な選定方式としていくため課題を解決をしていかなければならないとの議論に至りました。
パネリスト: 肥田雄三(横浜市建築局 公共建築部長)、
小野田泰明(東北大学大学院 教授)
藤沼傑(ウィスト建築設計)、田邉雄之(田邉雄之建築設計事務所)
司会・モデレーター:小泉雅生 ( JIA神奈川 代表)
3月 7日 職能・資格制度/建築家資格制度実務 合同委員会 (zoom)
3月 15日 正副会長会議 (zoom)
3月 17日 第287回 理事会、懇談会 (zoom)
正会員入退会承認において退会者8名、入会者15名となり微増となりました。何よりです。また本年度フェロー会員は関東甲信越支部から5名、全国で12名が承認され新たに誕生されました。そして重要な審議事項である2022年度事業計画(本部、支部)および予算案について承認され新年度に向かって各地でスタートラインに立ちました。いよいよですね。
理事会終了後には希望者10数人で懇談会を行いました。全員に近況報告や抱えている課題についてコメントをいただき、やはり理事会には収まり切れないほど話題満載であり本音で意見交換する良い機会となりました。
3月 18日 地域サミット (zoom)
年3回の地域サミットは内2回が委員長会議と合同で開催し、支部全体の情報共有や課題をテーマに開催して参りましたが、3月は23地域会長だけの参加で地域会活動に特化し開催しました。主要なテーマは地域会だからできる「行政との連携、関係構築」とし、特に発注者支援、設計者選定に焦点を当てた情報共有と議論するプログラムです。前半に神奈川、長野、茨城、目黒地域会に活動報告いただき、後半はグループディスカッションを行い行政との関係構築における地域会活動の建設的な議論がなされました。
3月 22日 建築家認定評議会 (zoom)
登録建築家を認定する建築家認定評議会です。建築家古谷誠章氏を議長として各界からの評議員で組織されています。今回の開催は本年度登録建築家の新規・更新・再登録者の調査結果報告と審査がなされました。特に更新者数は年々低下し今年は更新対象者の約80%に留まりました。危機感を感じる評議委員の皆様からも社会が求める制度として拡大してく必要があるとした上で、推進方策の検討が待たれると評価されています。
3月 26日 新・建築家の本棚 トークイベント (集合)
2015年にスタートし装いを新たにした「新・建築家の本棚」は、様々な知の体験について本をツールに語り合う、ちょっと変わったブックイベントです。今回は杉並地域会と世田谷地域会と共催で行い参加条件は「お気に入りの一冊を持ってくる こと」。 トークイベント「私の一冊」では4人の建築家にお話を伺うとても興味深い内容です。
(講師:黒木実氏、清水冨美子氏、戸室太一氏、相坂研介氏)
3月 26日~27日 北関東甲信越学生課題設計コンクール (zoomウェビナー)
群馬県内卒業設計コンクールと同日開催の北関東甲信越学生課題設計コンクールは今年で16回を数えます。これは各地の高校、専門学校、大学で実施した住宅関係課題の作品を持ち寄り評価するものであり、在学中作品を審査する大変珍しいコンクールです。学校も学年も課題も異なる作品に対し審査することは大変難しく、審査員の評価軸も様々です。しかし学生各位の「社会を見つめる目」や「建築の可能性を探る意欲」は作品に現れるものであり共通の評価軸と言えます。2日間に渡るプログラムの初日は審査委員長を務める赤松佳珠子氏(CAt)の講演会で近作のご紹介をいただきました。2日目は午前が卒業設計コンクール、午後が課題設計コンクールとまるまる一日フル回転でいささか疲れはしましたが、審査する側の我々も自らの建築を考える良い機会となりました。
3月 29日 第94回JIAアーバントリップ (zoomウェビナー)
「父の家」建築家による親のための住まいと題し建築家千葉学氏が設計した美術監督であったご自身の父上・一彦様の御自宅からのライブ配信です。新しい家の設計過程での親子の対話、父と息子の新しい暮らしが始まってからの気づき・お考えなどを、映画監督であり自身の父上も建築家である石山友美さんをお迎えしての企画です。3 人のクリエーターによるクロストークなど単なる建築作品の見学会にとどまらない、オンライン開催ながら濃密な見学会です。
3月 31日 教育委員会 (zoom)
コロナ禍でしばし停滞していた活動がリスタートしています。教育委員会は3年前本部組織再編で教育表彰委員会から分離しました。文字通りJIAの教育コンテンツを総括する委員会であり活動体系の見直しをしています。歴史のある「リフレッシュセミナー」を始めJIA教育プログラムをブランディングしていく「JIAスクール」の運営など課題は山積していますが、持続可能なシステムづくりを目指しています。
以上、ご報告いたします。