現代ではインターネットが発達し、自宅にいながらも多くの情報を得ることができる。それにも関わらず、図書館へと足を運ぶ多くの人々がいる。大きな中央図書館から、町の小さな図書館まで、地域の人々に親しまれ使われている。人々の利用の仕方は様々である。新聞や雑誌を読みながらくつろぐ人、机に向かって勉強する人、子供に絵本を読み聞かせる母親、教養を深めるお年より、たいして目的もなくふらっとやって来る人などである。人は勉強したり、情報を得るためだけに図書館に来ているのではなく、くつろぎにきたり、人と出会いに来たり、何気なくふらっと訪れたりしているのである。特に、ソファーや畳などリラックスして本の読めるコーナーや、新聞・雑誌コーナーに人々が集まっている。今後このような身近で、誰もが「気軽に利用できるスペース」の需要が増えていくのではないかと考える。
図書館を誰もが気軽に入れる公園や街路のような雰囲気を持った場所にすることを目指した。一般的な図書館では、「気軽に利用できるスペース」はエントランスの周りに置かれていることが多い。このようなエントランス周りの「気軽に利用できるスペース」が、図書館全体に及んでいるものを提案する。
敷地は、世田谷区の比較的住宅が多い場所で、世田谷区立中央図書館がある。現在の図書館の諸室面積や収蔵量を基本としながら、新たな提案を行う。
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