「量より質」の時代を迎えている今日,建築と人の関係を理解する事は欠く事が出来ないと考えられる。空間が人にどのような影響を与えるのか,というような建築環境心理学のものの見方・考え方を理解することは重要であり.中でも本研究で扱うゲシュタルト的考察は基本である。建築家・芦原義信は「ゲシュタルトの概念は都市のあり方及び内部と外部の設計の質の問題を解く示唆である」と言っている。ゲシュタルト心理学は空間構成を考える時,物の基本的捉え方であり,質を考える設計を行う上で一つの手法である。
次に,今日の社会的背景として,人々はホームページを立ち上げ,路上には音で自分を表現するミュージシャンがいる。表現する事が一部の専門家のものでなく,一般の人にも広がっている。その為,「表現の場」が求められている現状がある。
そこで,「デザイン&アート」をコンセプトに掲げる横浜ポートサイド地区全体においてゲシュタルト的概念から空間の秩序立てを行い一般の人がアートの表現の出来る場としてトリエンナーレ的美術館の試案を行った。その際に、発表の場をより人間的にする為にゲシュタルト的空間操作によってサイトスペシフィックなトリエンナーレ的インスタレーション空間として一試案をまとめた。
ここでは、一般の人がアートを表現できる場の中心となる施設の計画をして、ポートサイド地区全体を一つのアートフィールドと考え、フォーリーを分散しまとめた。
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