物質的に充足し、人々の関心が精神的豊かさへ向かっていると言われて久しい現在、その傾向は一層強くなり、自己の成長に対する人々の欲求は留まるところを知らない状況にある。そのような中で、身近な生活環境を始めとする環境への意識も高まっている。一方で近年、様々な形で環境教育・社会教育が実践されるとともに、その重要性がますます増加し、各省庁、自治体での議論も高まる中、平成15年7月、環境教育を推進し、環境保全について国民の個々の意欲を高めていく事などを目的とする、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が制定されている。
本計画は、上記の社会情勢を踏まえ、生物との密接なかかわりを通して「地球・生物を大切にする心を育む」=環境教育を可能にする施設である水族館の今後あるべき姿を提案するものであり、これまでの調査研究、計画地である広島市と敷地周辺の状況を分析した結果を受けて以下の3つを基本的な方針として建築的提案に結びつけている。
環境教育 |
学校教育・市民活動と水族館 |
生物多様性保全と環境再生 |
Keyword
[体験学習の重視][人間-自然、人間-人間社会という環境構造の二重性の考慮][市民活動との連携、市民の参加][周辺施設との連携][生物多様性の保存再生、環境の創造再生]
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