■はじめに
公共のビルディングタイプの多くは教育や芸術といった理念をかかえるがゆえにその価値を保持し、その発展を妨げてきた。つまり、ビルディングタイプというカテゴリーがもつ固定化した機能概念が根底に存在し、規定しているためである。そこで、ビルディングタイプというカテゴリーで建築を考えるのではなく、建築における空間と機能の関係を広く都市的状況として捉え、その可能性を探ることで新たな空間の在り方を見出すことができないだろうか。
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■建築モデル
都市における建築空間のモデルを以下の2点を絡めることで提案した。@.都市にバラまかれているビルディングタイプや事象は偶発的な共存状態=等価な状態にあると捉え、その事象を建築空間に組み込む。A.テクノロジーの発展にともない、個人の活動における場所からの制約が取り払われつつある状況は、建築や場所に対する依存度の強弱がはっきりと出てくるに違いないことを示す。建築の機能と呼ばれるものもそのように変化し、依存度の強弱をもつ場所の集合体として建築が作られていくのではないか。
■プログラム
個人が所属を与えられる場所から、社会的な関係性を選択・編集する場所へと、役割を変化しつつある学校建築と、成熟化、流動化しつつある公共空間に対して、提案した建築モデルを活用し、その可能性を探った。
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