沖縄県北部地域は、森林地域および農業地域からなり、海浜景観に恵まれた豊かな自然環境を有する地域であるが、産業基盤、生活環境において整備水準が低く、また、所得水準も低い状況にある。このため、進学や就職の機会に沖縄県中南部地域や県外への若年層の流出が進み、人口増加率が停滞しているとともに少子高齢化が進行している。計画地である嘉陽地区は、北部地域の東海岸に位置し、福祉施設や産業の集中する名護市中心部から国道一本のみでつながっている状況で、北部地域でも特に少子高齢化、人口減少、進学・就労の流出が進んでいる。集落には医師もいなく、高齢者のみの世帯が多く、生活環境を早急に整備する必要がある。
沖縄県は、長寿国であり、亜熱帯の気候がもたらす食べ物や屋外活動などの生活習慣、豊かな自然環境が影響していると思われる。
集落の整備には、「健康(保健・福祉・医療)」がキーワードとなる。
統合医療基盤とした沖縄県北部地域の保健(保養)・福祉・医療の連携によるコアとサテライトのネットワークにおいて、嘉陽地区をひとつのサテライトとする。集落の活性化を図り、定住人口の増加を目指し、魅力ある生活環境の整備を目的とする。
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