現代におけるもののフローの概念は
時に格別な懐疑心と未知なる想像を抱かせる
私は大量生産/大量消費されるものの圧倒的な「量」の流れに完全に魅了された。これはごく一般的な現代感覚であり、その「量」が社会や環境に多様な意味を訴え、場所性や経済動向を特徴付ける質を持つからである。又、資源の確保からごみ処理という一連の連鎖の中で生まれるものに対する一般的価値観は、世界に蔓延し続ける。この状況を踏まえ、私は現代におけるものとその流れに対する動的な介入が、人々の元来抱くべきものの本質への視点を養い、究極のフローを再構築する手掛かりになると考えた。
本計画は、世界一ごみが流動的であると想定した韓国・新都市一山において、ごみを用いて新たに思考可能な循環システムを具現化するための建築の構築である。そして、元来人がごみに抱く嫌悪感に対し、計画されたごみの群像としての美的風景へと転換することを目指す。これらは必然的にごみオブジェクトが持つプロパティに潜む意味や背景、そして未知なる可能性への探求を意味する。
長い時間と共にごみの建築が増え続けては消えていく循環フローの創出。それは、人間が生態系の一部であるように、人間にとってもうひとつの自然と言える「ものの生態系」の思想を新たに具現化したことに繋がる。この計画は商品というベールを剥いだごみを通して、純粋なものと人との関係を永遠に問う。
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