都市という漠然とした空間の中でひときわ魅力的に映る場所がある。それは都市の中の「道」である。道は都市の中の連続した空間である。道には扉もなければ、歩みを妨げる壁も存在しない。
都市の中は様々な機能、用途で溢れている。それらが道という連続した空間によって繋がることで、そこで行われる行為が相互に影響を及ぼしあい、様々なアクティビティを発生させる要因になると考える。そのような都市的な状況を建築空間に取り込むことで、空間、機能、行為に新たな関係性を作り出すことが出来るのではないだろうか。
そこで私は建築空間にみられる連続した空間に注目しようと考えた。その連続した空間に様々な機能を内包することが出来れば、都市的な状況を建築空間の内部に作り出すことが出来るだろう。
本研究は物理的に壁や扉で仕切られていないひとつながりの空間を「空間連続体」と定義し、(1)空間連続体と隣接する空間の境界面の扱い方 (2)体積と分節手法の関係性 を明らかにし、それらを応用しプロジェクトを行ったものである。 |