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「継承と断絶」を基本概念とする建築 〜土地区画整理後の建築手法の検討と設計〜- |
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● 氏 名 |
中根 雄一 |
● 所 属 |
信州大学大学院 工学系研究科社会開発工学専攻 |
● 研究室 |
坂牛研究室 |
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● 作品概要
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市街地整備の代表的手法の一つに土地区画整理がある。土地区画整理とは、2次元的な土地の整備システムである。土地区画整理後は3次元的な街づくりが行われ、その際既存の街区を考慮しつつ新たなニーズに対応した展開を考える必要がある。言い換えると「継承」と「断絶」を共存させたまちづくりが求められる。
したがって本計画の目的は、土地区画整理によって失われやすいものの中から受け継ぐべきもの及び訣別すべきものを見極め、前者を継承し後者と断絶する建築デザインを提案することにある。
敷地は現在施工中の長野駅周辺第二土地区画整理事業地区の中に設定する。その際に次の3つの継承方法に従い、設計を進める。@周辺環境の物理的要素の継承として、既存スケール(現状の土地や建物の形や大きさ)をデザインに取り込んだ。A周辺環境の抽象概念の継承として、新旧の街における特徴を対概念化した。その対概念の中間的な性格をもつ空間を「あそび空間」と定義し、それぞれの概念から生まれる空間の緩衝帯とした。B先行する形式の読み替えによる継承として、既存市街地に存在する、袋小路を取り上げた。袋小路を、行き止まり故の親密的な空間と読み替え、奥行きのある閉じた形式を用いて、住戸の核となる共有庭と住戸のテラスの形状を提案した。
この「継承と断絶」は、旧から新への変化の刻印であり、既存市街地と土地区画整理後の街とをつなぐ役割を持つことができると考える。 |
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(PDFファイル 2MB) |
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● プロフィール |
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1981 |
愛知生まれ |
2004 |
信州大学工学部社会開発工学科建築コース 卒業 |
2006 |
信州大学大学院工学系研究科社会開発工学専攻 修了 |
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