作品概要
日本の地域社会は学校を中心とした「ムラ社会」を形成してきた。しかし今後は、少子化などの社会的変化の中、そうした地域社会を維持していくことが困難な状況である。また、それと同時に学校教育の改革は、これまで以上に学校と地域とのつながりを求めるようになった。ここでは学校と公共図書館を複合して計画する。これは、教員の授業研究活動などのこれまで閉じられていた学校活動を地域に対して開き、地域活動の延長としての学校教育活動を創造することのできるような複合方法を提案することで、学校を地域のラーニングセンターとして現代社会に適合した地域社会の核となる施設となる。
学校の主要動線としての「ラーニングエリア」と呼ばれるリニアなワークスペースを児童の生活空間である教室と連続するように設計する。ラーニングエリアはそのまま図書館司書のいる地域活動のためのスペースとも接続することで、地域活動と学校活動が入り混じった空間となり、図書館司書・学校教員・児童生徒・地域住民らが、多様なつながりを作り上げ、活動を展開していく。これまでの空間を与えるだけの学校施設の地域開放ではなく、地域社会と学校の新しい付き合い方をここでは提案している。プロファイル
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