中村 卓
所 属
筑波大学大学院 人間総合科学研究科芸術学専攻
研究室
鵜沢隆研究室
作品概要
1920年代オランダに興ったデ・ステイルは、絵画・彫刻・建築・家具など幅広い領域において、画家ピート・モンドリアン、芸術家テオ・ファン・ドゥースブルフらを中心とし、水平・垂直の平面分割及び三原色による構成を「様式」として確立させた総体的芸術運動であり、今日においても様々な場面でその構成を見受ける事ができる。しかし、それらは様式として確立されたが故の宿命、それは本質を欠いた表層的なデザイン様式として用いられ、形骸化の一端として認知される可能性も同時に孕んでいる。
特に3次元である建築おいて、本質的空間構成に「様式」を置き換える事の難解さは、構成部材を散りばめる手法(要素主義的手法)によって唯一その命題を叶えたとされるヘリット・トーマス・リートフェルトのシュレーダー邸のみであるという事実から伺い知る事ができる。
本制作ではデ・ステイルのデザイン様式を、歴史的成立過程とその思想に基づく本質的特徴から、要素主義という言葉に集約されると判断し、シュレーダー邸とは異なる解を提示する事を目的として制作した。
作品は全3題、それぞれケーススタディとしてシュレーダー邸の敷地を参照し住宅設計を行った。要素主義に倣い、空間という見えざる塊を主要な構成要素とし、散りばめることでそのデザイン様式を本質的空間構成へと展開させた。
プロファイル
2005年 筑波大学芸術専門学群 卒業 |