感覚でふれる空間 A lively space : visible , audible , smellable
- 須田 牧子
- 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士前期課程 芸術専攻 建築デザイン領域
- 鵜沢隆研究室
その際、場面の知覚を視覚だけでなく、聞こえてくる音や漂ってくる匂いにおける知覚にも焦点を当てて観察していった。人間は動き回りながら生活している存在で、後ろから聞こえてきた物音に反応して振り返ったりするように、視覚、聴覚、嗅覚はだだ続きの状態であることがわかった。それに基づき設計した住宅では、視覚的に切り離されたり繋がったりする空間の中で、聞こえてくる音や漂ってくる匂いによって場面が再構築され、‘今まで見ていた風景と異なる姿がみずみずしく立ち現れてくる’可能性を提示している
また、現代の住宅において、家族同士の関係は希薄になっているが、「体験する人が感じるもの」の対象は、周囲の家具や小物から同じ住居に住む家族の行為にまでおよび、それらとの新しい関係を築くきっかけになると考えられる。視覚的に捉えられる範囲を越えて母が料理をする匂いや父が歌う鼻歌が聞こえてくるという、無意識に起こっているはずの状況を少しアクセントをつけて知覚できる住宅を設計した。