代々木体育館周辺におけるランドスケープデザインの再考−
- 渡邉 佳子
- 昭和女子大学大学院 生活機構研究科 環境デザイン専攻
- 芦川智建築研究室
今回私は、代々木体育館及びその周辺におけるランドスケープを再構成するため、都道413号線の原宿駅から代々木交差点までの地帯においての設計を行った。この都道413は表参道・井の頭通りと接続しており、代々木体育館をはじめとして、代々木公園・都立代々木競技場・明治神宮といったパブリックスペースにアクセスするおよそ1000mの道である。
谷の道、丘広場、地下の道という新要素を挿入することで、代々木体育館・明治神宮・都立代々木競技場・代々木公園という既存の要素を都道413の一部とし、都道413・表参道・井の頭通りを連なりながらも空間の変化が味わえる道空間として構成する。
丹下健三による代々木体育館の設計は街の中に一つの軸を見出し、ゴールとなるシンボルを置くものであったが、現在の代々木体育館周辺には表参道・井の頭通り・代々木公園・明治神宮など様々な要素があり、複数の軸が存在する。
今回の設計では目標物となるシンボルを造るのではなく、存在する様々な要素を取りいれた「場」を作り、そこに代々木体育館を巻き込む。それによって代々木体育館自体を「場」として再生し、人に使わせることで近代建築の遺産として、代々木体育館を残していくことを計画している。