1986年 岩手県盛岡市生まれ
2008年 日本大学理工学部建築学科 卒業
2010年 日本大学大学院理工学研究科建築学専攻 修了
現在 株式会社久米設計 勤務
八潮パークタウン住まい方再生計画
- 田村 圭祐
- 日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
- 本杉省三研究室
現在日本における団地は全体の4分の3が高度経済成長以後に建設されており、それらの団地は今日の住要求に適合しやすく構造的にも以前の団地より長寿命になることが考えられる。低成長時代を迎えた日本にとって長寿命ストックをすぐに建て替えせずに住まい方や周辺環境の充実を図ることで問題を解決していく団地再生プロジェクトを本計画で提案する。
周囲と切り離された孤島の団地街である品川区八潮パークタウンは開設から20年で団地内の住まい方が変化した。子育てが終わり子供は巣立ち親だけが残って住み続ける傾向が高いために人口の流出入がしにくく、極端な少子高齢化が起こってしまった。そこで単身高齢者や老夫婦を中心に地域内移住させサービスを受けながら交流できる住まいを学校跡地に建設することで、既存団地に若年勤労世帯の入居を促進するという仕組みを考えた。バランスのとれた年齢層を保ち、地域が循環していくための歯車となる建築である。住形態によって同じ世代だけしか集まるのではなく、多種多様なひとが住む中のひとつに高齢者を位置づけ交流できる集合住宅。学校の面影として既存樹木を残しコンパクトな住居を雁行配置させ変形した中庭をもつ5つの建築群。断面操作によって中庭と住居の間にできた街路空間を漂いながら生活することで、居住者が集まって住むことの意義を見いだせる建築を目指している。