出展作品一覧

45度による空間の多様性の研究 ルイス・カーンの平面構成に学ぶ

氏名
小松崎 七穂
所属
日本女子大学大学院 家政学研究科住居学専攻
所属
篠原聡子研究室

作品概要

 建物は人間が使用するために建てられるものである。機能に即した空間であるだけでなく、移動する時も留まる時も、多様な体験や変化(以下、「空間の多様性」とする)のある建物は、人間にとって魅力的である。そして人間の動線は建物の形態が持つ方向性と必ずしも一致するとは限らず、このズレが動線の行程の幅を広げ、思わぬ発見や感覚的な豊かさを享受させ、建物の魅力を高めているものであると言える。 ルイス・カーンの建物は、平面図上の幾何学構成による操作が顕著だが、力強い中心性や求心力を持ちながら、しかしそれだけが支配する空間でもない。この状態を、カーンの平面図上の45度の操作による動線と建物の方向性のズレが起こしているものと仮定して、45度の操作があらわれている作品からその状態を分析し、傾向と手法を見出し、その効果とカーンの意図を考察し、4つのタイプを得る事ができた。そして、そのタイプの中でも45度の操作によるズレが生む「空間の多様性」が顕著にあらわれていた1つのタイプの手法を基に、現在建て替えを希望される日本女子大学の大学図書館をケーススタディとして、具体的な提案を行った。

プロフィール
小松崎七穂
1985年 埼玉県生まれ
2008年 日本女子大学家政学部住居学科 建築環境デザイン専攻 卒業
2010年 日本女子大学大学院 家政学研究科住居学専攻 卒業
2011年 株式会社 三上建築事務所 現在
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