Piled city
- 渡邊 匠
- 法政大学大学院 工学研究科 建設工学専攻
- 富永譲研究室
作品の概要:現在、世界中の都市は高層建築によって埋め尽くされ、人々の生活の舞台は地上から空へと変わり始めています。高層化が進む現代の都市において、これからも増え続けていくと思われる高層建築と、そこで暮らす人々との関係を改めて捉え直したいと考えました。
現在の高層建築は、地上でできる当たり前の暮らしができないようなものとなっています。例えば、高層建築はスケールが大きいため容易に中庭をとることもできません。そのため、側でしか外環境に触れることができず、その内部は昼間でも蛍光灯をつけなくてはならなかったり、自然な換気もできないような状態となっています。また、 すなわち現在の高層建築というものは、地上であるような人と人との関わりや、自然の光と風に満ちた暮らしというものが失われています。高層建築が変わらなければ、これからの高層都市はどんどん閉じられたものとなっていくのではないでしょうか。
そこで、アトリウムのような外部化された内部空間を建物内に配置し、内から外環境を取り込むことができれば高層建築の持つ問題を解決できるのではないかと考えました。また、アトリウムは人と人が関わり合う出会いの場を与えてくれます。アトリウムの在り方を再構築することで、新たな高層建築を提案します。