田中　希枝

早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻　

石山修武研究室

　本計画は、シャルロット・ペリアンを通して建築における女性性の可能性を探るものである。
　ペリアンは、コルビュジエの原則の範疇にありながらも、使用者に対して余地を残すことを常に意識し、建築の内部空間において人がとどまる場所をつくっていった。そこには女性ならではの生活に密着した視点があった。
　都営青山北町アパートの建て替えを計画するに当たり、コルビュジエがペリアンと出会う前に設計した「ペサックの集合住宅」の住居単位を参照し、ペリアンの仕事から抽出した要素を以て手を加えていき、設計を行う。そして一住居単位、団地の中の一棟、20棟の団地の３つのスケールでの展開を試みる。建築の内部に留まっていた女性性はやがて外部へと拡大し、多くの人々に共有され、母性となって共同体を包み込む。

1984年　東京都生まれ
2008年　早稲田大学理工学部建築学科　卒業
2010年　早稲田大学大学院創造理工学研究科
　　　　  建築学専攻　修了