出展作品一覧

反復について

氏名
中西 智也
所属
早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻
所属
古谷誠章研究室

作品概要

 近代以降、形式的な手法は、たびたび批判されながらも成長を遂げてきた。
その中の一つに反復という形式がある。至る所にありふれる反復という形式は、特に強力な形式のひとつである。
反復という形式を再読し、単なる無批判な形式主義に陥らない反復のありかたを探求する。

 

まず直接の過去として、産業革命以降に現れた反復という形式の主要なものを整理して概観していき、その中で純粋に「繰り返すこと=リピート性」による意義を抽出していく。そのような歴史的概観により、リピート性には3つの意義が見出される。
ひとつは「相対化」。これは反復を地としてみたときの効果であり、反復による同一性、均質性ゆえに、それらは比較可能となり、相対的なものとして認識可能となる。
ひとつは「主従関係の消去」。同一のものがシステマティックに反復する形式においては、部分と全体、ある部分と別の部分、などにヒエラルキーが生まれない。
ひとつは「形骸化と秩序の強調」。同一のものがあるシステムの下で反復することで、ひとつひとつの意味内容は薄まり、形骸化していき、代わりにそこにある秩序のみが浮かび上がってくる。

 

そして、これら3つの意義を参照し、リピート性に基づく24のモデルを作成した。それらはリピート性の具体的な翻案にもなっており、参照可能な例示としての役割も担っている。
そして最後に、あるスケールと周辺環境を与えたモデルとして、3つの展開を行った。

プロフィール
中西 智也
1986年 鳥取県生まれ
2008年 早稲田大学理工学部建築学科 卒業
2010年 早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻 修了
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