1986年 宮崎県生まれ
2005年 都城西高等学校 卒業
2009年 宇都宮大学工学部建設学科建築学コース卒業
2011年 宇都宮大学大学院修士課程 修了
路地型高層居住 - 低層高密居住地域と連続する高層住宅のオルタナティブ -
- 氏名
- 堀之内 裕輔
- 所属
- 宇都宮大学大学院 工学研究科 地球環境デザイン学専攻
- 研究室
- 建築計画研究室
作品概要
近年の日本における再開発では、地域の空間特性や生活環境への配慮に欠けた高層マンション開発の建設が多い。またこれらのマンションでは経済採算性が重視され、均質な共用部、住戸が計画される傾向にある。東京都心に見られる伝統的な下町を含む戸建て住宅地域においてもこの傾向は見られ、再開発された高層マンションでは従来の戸建て住宅地と比べて住民同士のコミュニケーションが希薄になり、関係性が失われつつある。
本計画では、こうした状況が多く見られる東京都東部の沿岸部のうち、伝統的な下町の路地空間が多く残されている墨田区京島地区を対象に、2010年に竣工した高層高密度の集合住宅のオルタナティブを提案した。
対象地区の空間特色を担う路地と住宅のコミュニティに関わる住戸に焦点をあて、地域固有の建築言語である「京島のパタン・ランゲージ」を作成する。これらを従来の高層住宅の形式を動線・全体形状・構造の3つの観点から新たに見出した立体路地型の構成システムに適用する。すべての住戸は性格を持った路地に面し、その接触面に住宅の表出のパタンを組み込むことで、高層居住において生活感を失わない。地区特有の生活が表出する低層高密居住地域の路地を内部空間に立体的に連続させつつ、高密度な居住を可能とする高層集合住宅を目指した。