東京電機大学千住新キャンパス第1街区計画 - Daniel Libeskindの設計手法から -
- 氏名
- 阿部 秀彦
- 所属
- 東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 山本圭介研究室(空間デザイン研究室)
作品概要
分野の融解と重合を体現する大学空間の提案が目的である。
「知識とは何か。」
それは無限遠に広がる新たな地平のことである。大学の専門特化型、あるいは一極集中型の教育方針は個人の広い視野を狭くし、本来そこにあるはずの分野間の多次元的な相互連関の姿は無く、予定調和を超えた新天地は身を潜めてしまっている。
「学びとは何か。」
それは身体を境界とする内外の濃密な対話である。新たな情報を内に取り込み自らの知とする時、そこでは自己との対話が発生している。それは理性と感情の混濁状態であり、不安や緊張というネガティブな要素が時に我々の自律性を超越した発見を与えてくれる。従来の垂直性・水平性にとらわれた没個性的な空間ではその自律性を超えることはできず、感覚は鈍く、重くなるばかりである。
Daniel Libeskindの特徴的な建築空間にこの二つの命題を解く可能性を見出した。
〈空間の類似性〉〈不安定さ、緊張感〉をもたらす設計手法から、斜め、鋭角的造形、キャンチレバーは不安・緊張を促し場所ごとのヒエラルキーを無くす要素とし、一続きの壁を折り曲げることで連続的な全体を構成する。
敷地は移転により大きく性格が変わるであろう東京電機大学千住新キャンパス第1街区。
水平性・垂直性からの解放とヒエラルキーの消失によって異なる領域が多次元的に、また連続と断絶が錯綜し渾然一体となる時に現出する共同体としての空間に、知と学びの在り方を再考する機会があると考える。
1987年 | 茨城県生まれ |
2005年 | 水戸桜ノ牧高等学校 卒業 |
2009年 | 東京電機大学 工学部 建築学科 卒業 |
2011年 | 東京電機大学 大学院未来科学研究科 建築学専攻 修了 |