空間の境界に関する提案 - 密度と距離感 -
- 氏名
- 田中 和沙
- 所属
- 東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 山本圭介空間デザイン研究室
作品概要
西欧の建築は自然から切り離し、彫刻化することで内外の関係を遮断したように思える。産業革命以降の近代化によって内外空間を視覚的につなげることはできたが、外は見るための対象物であり、生活の一部として外を取り入れることはなかった。しかし、日本の建築空間は内外空間を曖昧な分節方法を用いて距離感を保ち、等価に扱い生活していた。
ここでは距離感に着目し、通風、採光、装飾の機能がある格子と、内外の距離を保っていた縁側空間、Sol LewittのWall Drawingを密度、距離、濃淡に分類し、距離感の変化を実験により検証した。その結果を重ねあわせることで距離感をコントロールできる境界モデルを導き出す。
建築は密度によって姿を変える雲のような状態となり、周辺環境との新たな関係性をつくる。構造体としての立体格子は周辺環境によって密度を変化させ、外側を密に内側を疎にすることで内からは外が遠く感じ、外からは内が近く感じる。2つの異なる静と動の空間が向こう側を透過させながら独立した空間となる。また、立体格子の隙間には風が流れ、どの空間にも外が隣接しているような環境をつくる。
というように、密度を変化させた立体格子で建築を構成することで、風や風景を透過させ、皮膜と構造と環境が一体となり、内外の距離感に対して新しい関係を築く建築へと発展する可能性を示した。
1986年 | 高知県生まれ |
2004年 | 私立高知高等学校 卒業 |
2008年 | 東京電機大学 工学部建築学科 卒業 |
2010年 | YKTTA 共同主宰 |
2011年 | 東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻 修了 |
受賞歴 | |
jacs住宅設計コンペティション2007 優秀賞 | |
卒業設計 学内優秀賞 レモン画翠「学生設計優秀作品展」出展 |
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世界の鉄馬「ハーレーと暮らす家」優秀賞 | |
代官山インスタレーション2009 優秀賞 | |
jacs住宅設計コンペティション2009 入賞 | |
第23回 建築環境デザインコンペティション 佳作賞 | |
第3回 長谷工住まいのデザインコンペティション 佳作賞 |
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光のインスタレーションコンペ2009 優秀賞 | |
光のインスタレーションコンペ2009 入賞 | |
Winter Circus 2010 入賞 | |
社団法人 愛知建築士会 建築コンクール「小さな建築」入賞 | |
第16回ユニオン造形デザイン賞 優秀賞 | |
六甲ミーツ・アート芸術散歩2010 入賞 | |
新建築住宅設計競技2010 3位 入賞 |