黒潮再生計画
町の中にあるものから地域の価値を見出す
- 氏名
- 野村 一也
- 所属
- 日本工業大学 大学院工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 小川次郎研究室
作品概要
地方都市において、地域性や風土性とは関連の薄い画一的な建物が数多く建てられていると思われる。しかし、店舗の軒が車道までせり出し、連続することで雁木のような役割が生まれた金沢の町家や、地域の特徴が異文化と混ざり合い発展した沖縄におけるRC造建築など、現在でも地域性や風土性が建築として現れている場合も散見される。これらのことを踏まえこの計画では、文化や気候に根付いた習慣、風習などの人間関係に加え、地域コミュニティーに属さない旅行者などの外的要因による影響も考慮した、地域再生計画を提案する。
敷地対象である黒潮町は、65歳以上の人口比率は33.7%と全国平均に比べ高い。少子高齢化に伴う後継者不足は、町の基盤である農林水産業を衰退させる要因の一つとなっている。一方で、ユニークな展示方法で知られる砂浜美術館の来訪者や、波を求めて訪れるサーファーなど、数多くの観光客に恵まれており、特に近年ではサーフィンをきっかけとした移住者も増加しつつある。こうしたサーファー等の外的要因の力や人口構成の変化は、今後の黒潮町の住み方を変えていくと思われる。
このように、黒潮町を魅力溢れる地方都市として再生するためには、通常見過ごしがちな町の中にあるものから地域の価値を見出すと共に、状況の変化に応じてまちの住み方と産業構造を再構築を行う。
1986年 | 高知県に生まれ |
2009年 | 日本工業大学 工学部建築学科 卒業 |
2011年 | 日本工業大学大学院 工学研究科建築学専攻 修業 |