生活共有空間住居 - 都市単身者住居における新たなオルタナティブの提案 -
- 氏名
- 石井 千絵
- 所属
- 日本女子大学大学院 家政学研究科 住居学専攻
- 研究室
- 篠原聡子研究室
作品概要
都市にあふれる単身者の生活は今、多くがワンルームマンションなど単身者向けアパートの一室に置かれている。独立性の高い狭い個室の中で完結した生活が、地域社会の中で切り離され、孤立した「見えない単身者像」を作り上げているのではないだろうか。画一的な住戸が個人の持つキャラクターを失わせ、味気ない人間関係を生む。
都市において増え続ける単身世帯のための住宅は、多様化する単身者の生活を支え、他者や社会とのつながりを育む一つの居住スタイルとして提案される必要があると考える。
そこで本研究では、≪生活共有空間≫の存在に注目した。1人を「個」として分断するのではなく、生活共有空間によって人とのつながりや自ら自分なりの生活を描いていこうとする意欲を持たせることが、単身者の豊かな生活や、地域社会との良好な関係を生むのではないだろうか。多様な生活共有空間の在り方を分析して新しい生活共有の仕方を模索し、これからの単身者居住に取り込むことで、「個」として孤立していく単身者の暮らしを再考する。分散した居住者の個室と共用部をつなぐふくらみのある動線空間がひとつながりの自在な生活共有空間として構成され、それぞれの居住者の生活を重ねていく。1つの個室では完結しない生活共有空間住居を、画一的な一般的ワンルームマンションに代わる新たな単身者住居のオルタナティブとして提案する。
1986年 | 兵庫県生まれ東京都育ち |
2009年 | 日本女子大学 家政学部 住居学科 建築環境デザイン専攻 卒業 |
2011年 | 日本女子大学大学院 家政学研究科住居学専攻 修了 |