出展作品一覧

玩具的建築思考  - フレーベルの恩物による空間構成 - 

氏名
上野 宏岳
所属
法政大学大学院 工学研究科 建築学専攻
研究室
渡邊真理 研究室

作品概要

 古くから積み木等の玩具は、教育玩具として明確な思想をもって子供たちに与えられてきた。その代表は恩物と呼ばれるものであり、開発者である(フリードリッヒ・フレーベル)の教育思想は、積み木を含む様々な玩具というかたちになって現代まで引き継がれている。それらの玩具はプリミティブな幾何学で構成されており、我々が設計の初期に利用するツールに等しい。しかし、積み木の様に並べられ、積み重ねられたかたちは、資本的要素が優先した設計過程の中で、はじめにイメージされた純粋な空間体験を失って行く。そのような点で都市の建築たちは、そのほとんどが建築設計者の想いを裏切ったかたちで現前しているとも考えられる。そして建築設計過程の流れの中で、設計者は空間体験に起因した純粋な思考を置き忘れてしまっているのではないだろうか。


 「玩具的建築思考」と題した本計画は、その思考を取り戻すべく、フリードリッヒ・フレーベルの恩物をもとに玩具的建築思考を構築し、フレーベル博物館建設というプロジェクトにおいてその可能性の一つを提示する。
 建築空間を恩物から読み取った要素に還元して捉え、玩具的建築思考によって4種の空間モデルを構成した。それらを建築プロジェクトとして統合することで、既存の建築タイプにはない、新たな空間体験となることを期待する。

プロフィール
1985年 千葉県生まれ
2009年 法政大学建築学科 卒業
2011年 法政大学大学院 工学研究科 建設工学専攻 修了
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