偶然性を有する建築空間の可能性 - 紙屑から建築への空間試行 -
- 氏名
- 藤本 直憲
- 所属
- 前橋工科大学大学院 工学研究科建築学専攻
- 研究室
- 石田敏明研究室
作品概要
僕自身の身の回りを構成している退屈な物体を建築というならば建築でない建築をつくりたい、という私的な不満と矛盾した思いから本修士設計は始まる。
建築でない建築とは何か。建築を合理的で計画的な物体と仮定した時、それと対立する偶然的な非合理的で無責任なものから建築をつくることを考えた。今回は紙屑というただのゴミから建築へ進化させるといういいかげんで馬鹿馬鹿しいとも思えることを試みる。紙屑の持っている形態を偶然的なものであると位置づけ、その複雑な小さな形態を人の入り込める「空間」に変換することで紙屑の建築的スケールを知覚する。
本計画では、建築でないもの「紙屑」から建築に進化していく過程を3つのSectionに分けて試行する。Section1ではプログラムや構造、設備等が建築を構成する合理的要素であるとして紙屑にそれらを付加していくことで建築に近づけていき、5つの住戸による集合住宅の設計として提案する。Section2では紙屑を模型と捉え、1/10から1/200のスケールをその紙屑模型に混在させることで様々に変化していく紙屑空間を知覚する。Section3では自宅に1/1の模型をつくることで紙屑空間を体験する。これら3つのSectionから身の回りに存在する退屈な建築ではない、発想・発見を誘発するような刺激的な建築空間を見出す。
1986年 | 広島県生まれ |
2005年 | 広島市立舟入高等学校 卒業 |
2009年 | 広島工業大学環境学部環境デザイン学科 村上徹研究室 卒業 |
2011年 | 前橋工科大学大学院工学研究科建築学専攻 石田敏明研究室 卒業 |
受賞歴 | |
2008年 | DINING RENOVATION三大学合同デザインコンペ 部門賞 |
2009年 | 日本建築学会設計競技 佳作 |
2010年 | 日本建築学会設計競技 関東支部入選 |
22011年 | トウキョウ建築コレクション2011 入選 |