作品詳細

A butterfly in Brazil - リンク機構を用いた建具の研究 - 

氏名
山中 浩太郎
所属
神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻
研究室
曽我部昌史研究室

作品概要

建築におけるあらゆる境界のあり方はこれまで様々な議論がなされてきた。しかし、実際に建築に目を向けると、その境界を構成する窓や扉などの建具は当然のように既製品であり、遮光性や断熱性など性能ばかりが重視されている。もちろんそういった性能は建具において非常に重要な要素であることは言うまでもない。しかし、一方で建具は空間を仕切ったり繋げたりと、空間に変化をもたらす性質を持っており、今日ではそういった空間的側面から建具が論じられることはほとんどない。本研究は、性能ばかりが追求された今日の建具を空間的側面から見直すことを一歩めとし、その可能性を追求するものである。
具体的には、リンク機構というムーブメントを建具に取り込むことで新しい建具を開発した。リンク機構とは、カムやピストンなど機械の基本的な動作機構を扱う機構学と呼ばれる分野の伝達機構の一機構であり、通常、ある入力の動作速度、加速度を異なる出力に変換するものである。この機構を取り入れた建具は一箇所を動かすと他の部分も連動して動くという特性を有しており、これまでの単調な動作しかしない建具と一線を画すものである。こ の建具を設計の軸とし、抽象的空間モデル→建築→ランドスケープとスケールを上げていく中で、それぞれどのような事象が起こり得るかを考察した。

プロフィール
山中 浩太郎
1986年 埼玉県生まれ
2009年 東京理科大学理工学部建築学科 卒業
2010年-2011年
     デンマーク王立芸術アカデミー建築学部
2012年 神奈川大学大学院工学研究科建築学専攻 修了

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