1987年 富山県生まれ
2006年 富山県立富山東高等学校 卒業
2010年 首都大学東京 建築都市コース 小林研究室 卒業
2012年 首都大学東京大学院 建築学域 同研究室 修了
現在 清水建設株式会社 勤務
反復と差異の概念に着目した設計提案 - オランダ構造主義の分析を通して -
- 氏名
- 岡崎 真也
- 所属
- 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域
- 研究室
- 小林研究室
作品概要
機能主義のもたらした均質な空間を批判しながら、「反復」という手法を用いて建築と都市に多様性をもたらそうとした流れがある。それは戦後硬直化したCIAMを解体へ導き、後期近代建築運動のはしりとなったオランダ構造主義である。
構造主義は、個別的な「差異」を許容することを目標とし、その逆説的な形式である「反復」によって空間に解釈の多様性をもたらそうとした。現代では廃退したかに見えるこの流れは、一方で無自覚的に普遍化したとも言えよう。
本研究では構造主義が用いた概念に着目し、そこから「分節」という鍵語を導いた。そしてそれらの概念が実体として現れる「反復の型」を体系化することで、空間の多様な分節を許容する手法を明らかにした。
設計提案ではそれらを再構築することにより、機能主義批判を拠り所に形態の差異性を競う作品とは異なる位相で、空間に多様性をもたらす手法を提示している。
ここでは、ある単位のまとまりが同時に別のまとまりに感じられ、ある領域が別の領域に所属しているようにも解釈される。使用者は、ある秩序から突如として別の秩序へと移行するような体験をし、各々の経験から各々の空間が形成される。