作品詳細

地方都市における複合駅再考 - 長崎本線肥前山口-諫早間をケーススタディとして -

氏名
益留 亜弥
所属
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 芸術専攻
建築デザイン領域
研究室
鵜沢隆研究室

作品概要

駅に民間資本が導入され、国鉄事業が拡大された1970年代以降、駅構内には多種多様な機能が複合され、駅は単なる交通の拠点ではなくなってきた。しかし、商業空間を初めとする経済的価値や合理性を重視した現代の開発は結果的に均質で画一的な空間や風景を生み出している。本研究では、駅の空間と複合される機能・用途との関係性に着目することで、新たな複合化の方法を探るとともに、そこから駅の周辺やその地域との関係の再構築へと展開する。

研究対象は現在建設中の九州新幹線西九州ルートの並行在来線に指定されている長崎本線肥前山口-諫早間の16駅とした。各駅の空間・空間構成要素と駅で発生するアクティビティを抽出し、それらの相互関係や特長を確認した上で、最終的に3つの作品として提案を行なった。設計対象敷地はCASE1肥前飯田駅、CASE2肥前白石駅、CASE3諫早駅とし、その場所ごとに求められるプログラムを決定し作品へと展開した。

3つの作品を通して、地方都市における複合駅の設計において、駅の空間やアクティビティに視点を置き、それらと複合される機能との関係性を形成することで多様な空間体験をもたらす可能性を示した。駅の空間やアクティビティを再解釈し、更に場所や地域との関係から駅の複合化を考えることで、固有の駅空間が生まれることを本研究で提案することができたと考える。

プロフィール
益留 亜弥
1986年 鹿児島県生まれ
2005年 鹿児島県立松陽高等学校 卒業
2010年 筑波大学芸術専門学群デザイン専攻 卒業
2012年 筑波大学大学院人間総合研究科芸術専攻 修了

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