1987年 | 東京生まれ |
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2006年 | 新潟県立上越総合技術高等学校 建築システム科 卒業 |
2009年 | 第9回東京建築士会「住宅課題賞」 優秀賞 |
2010年 | 東京電機大学 第一部工学部 建築学科 卒業 |
2012年 | 同大学院 未来科学研究科 建築学専攻 山本空間デザイン研究室 修了 |
都市の回廊空間による連担性と空間特性 - 新潟県高田地区における雁木空間を用いた複合住居の設計提案 -
- 氏名
- 佐藤 元樹
- 所属
- 東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 山本圭介空間デザイン研究室
作品概要
序.
私の故郷である新潟県高田地区は、町家に付随して私有地を出し合って造られる「雁木」という回廊空間が広がっている。この都市的かつ建築的な要素をもつ都市装置と呼ぶべき雁木が、人々の多様な行動を受け止めながら都市機能と地域コミュニティを保ってきた。しかし、高田も他の都市と同様に都市機能の拡散・空洞化が進行している。この問題に対し、本計画では雁木と同様に連担性を持った諸外国の回廊を参考に、特質を読み込んだ上で雁木を用いた都市システムの設計を展開し、衰退する高田の活性化を目指した複合住居を提案する。
計画.
分析から抽出した23のキーワードを複合化し、雁木を構成する列柱と屋根のピッチ・高さ・厚みに変化を与えて動線やシークエンスを操作し、積雪・通風等の調節も行う。更に長屋の隙間を連担することで街区内側にも様々な形態の回廊が形成され、この空間はかつての町屋の雁木・ドマ・ミセ・トオリニワの構成を引き伸ばした様な空間になり、細長い回廊ではプライベートな溢れ出し、広場では祭りや朝市で地域交流を生み出すパブリックな場所となる。また公共機能を店舗・住宅スケールに合わせて分解、配置することで既存町屋の持つスケール感を保ちながら都市機能をコネクトしていく。
ここでは都市の中の部屋と言えるような回廊空間を創り出すことで、都市と建築の境界が襞のように変化し、都市機能をコネクトできる建築のあり方を提示できたと考える。