近年、少子高齢化、核家族化、情報化、都市化の急変等の問題は、子どもの生活に大きな影響を与えており、教育を取り巻く環境が大きく変化している。特に、間接体験や疑似体験の機会が圧倒的に多くなった今、子どもの成長にとって負の影響を及ぼしている事が懸念されている。これを受け、2008年に学習指導要領が改訂され、各教科の改善と総合的な学習の関係を見直し、言語活動、体験活動の重視、道徳教育の充実などが推進された。さらに、現在の社会情勢にふさわしい教育のあり方が求められており、小学校・中学校の義務教育を9年間という大きな枠組みの中で教育方法を見直す小中一貫教育や保護者や地域の声を学校運営に参画するコミュニティ・スクールが注目されている。今後、学校教育に寄せられる期待は一層高まり、学校施設そのもののあり方を考え直す節目に来ていると考えられる。
本計画は、建替えが具体的に計画されている小方小・中学校をケーススタディとし、今後、小中一貫校の基盤になると期待される三鷹方式の教育ビジョンを取り入れる。地域の風土を活かした自然体験を通して子どもの教育や育成を推進すると伴に、地域の交流拠点の場となる小中一貫校の設計を行うものである。