1988年 | 新潟県生まれ |
---|---|
2006年 | 新潟県立新発田南高等学校 卒業 |
2010年 | 日本工業大学工学部建築学科 卒業 |
2012年 | 日本工業大学大学院工学研究科建築学専攻 修了 |
スミダ・ヒル 人工地盤を用いた公園的居住空間
- 氏名
- 涌井 領
- 所属
- 日本工業大学大学院 工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 小川次郎研究室
作品概要
この計画では、人工地盤により形成された屋上公園の下部に、住居や地域施設、防災施設を取り入れた、地域に住むことの楽しさを享受できる建築を設計する。設計対象地の墨田区白鬚東地区周辺には、地域の防災拠点として建設された白鬚東団地がある。しかし、建設から30年以上を経て、防火用散水設備等の機能が低下しており、保有する防災用倉庫も非常時に対応できない恐れがある。そこで、地域の防災機能を補完するため、計画建物の1階には防災用倉庫及び非常時に活用できる物流センターを設置する。また、敷地の対岸である白鬚西地区は、近年住宅地として居住人口が増加していることから、これらの地域との結びつきを考慮し、2階に駐車場、4〜5階にはスーパー銭湯を計画する。2〜4階には高齢者用住宅を、屋上にはゆるやかな起伏をもつ屋上公園を設ける。公園やスーパー銭湯のロビーは地域住民によるにぎわいを生み出し、高齢者に孤独感のない暮らしを提供する。半外部空間である駐車場には、建築全体に対する日射を軽減するダブルルーフ的な役割をもたせる。さらに、屋上公園は河川氾濫時の高台避難所として、高齢者住宅・スーパー銭湯は一時避難所として想定するなど、各施設は小規模な防災拠点となるように計画する。こうした空間構成および用途の配列を通して、日常生活を豊かにしつつ非常時の住民生活を支援する機能をもつ、新たなビルディングタイプとする。